共通点は「散り際のインパクト」NHK大河とあの名作ドラマがそっくりだった!

 放送開始から半年が過ぎ、すでに物語も中盤に差し掛かったNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。前半は源平合戦や義経討伐など時代劇らしい派手なシーンが続いたが、その後は一転して権謀術数うずまく幕府内の権力闘争へと移行している。
 
 史実通りの展開であれば残りの大きな戦は後鳥羽上皇率いる朝廷軍との承久の乱くらい。だが、三谷幸喜氏の脚本ゆえか、飽きさせない工夫が随所に散りばめられている。
 
 なかでも注目すべきはほぼ毎回のように起きる登場人物たちの最期だ。
 
 15話では謀反を未然に防いだ上総広常(佐藤浩市)が突然刀で斬られて謀殺され、25話では源頼朝(大泉洋)が馬上で突然呂律が回らなくなり、そのまま落馬して絶命した。そして、29話の広常を斬った梶原景時(中村獅童)に至っては、劇中でその死が描かれず、ゆかりの場所などを紹介する番組最後の紀行コーナーで補足的にその最期を説明するという前代未聞の展開に。ネット上で大騒ぎとなり、ファンの間で生まれた「紀行死」という造語がトレンドワードにもなった。
 
 これほど多くの登場人物の最期が話題となる大河ドラマは珍しいが、かつて同じように登場人物たちが亡くなるシーンが世間で大きな話題となった作品がある。

「『太陽にほえろ!』です。72〜86年の全718話の中で殉職8名を含む11名の刑事が亡くなり、そのたびにメディアで大々的に取り上げられました。時代設定はもちろん、武士と刑事という違いこそありますが、散り際のインパクトと注目度は『鎌倉殿の13人』も負けてはいません」(テレビ誌編集者)
 
 実際、ネット上には《「太陽にほえろ!」に通じるものがある》といったコメントもあり、共通点を感じる視聴者は多いようだ。

「今回の大河は史実に忠実に描かれており、最期のシーンについても同様です。それでもこれほど話題になるのは、演出や役者たちの芝居の賜物ですね」(同)
 
 これから終盤にかけても、各武将たちの最期が大きな見どころとなりそうだ。

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