ただし真価を問われるのはこれからだ、という声も。
「調子が上がったと言うても、パ・リーグに勝っただけ。ブレイクした湯浅にしても、5月、6月と同じだけ活躍できるか‥‥。それに見たところ、特に佐藤輝に対するパの攻め方は緩かった。セのチームは容赦なく佐藤の弱点の内角を攻めてくるからな」(球団OB)
「寸止め」で終わっていた主砲への徹底マークが再開することは必至。それを乗り越えられるかが後半戦のカギを握るというワケだ。
一方、交流戦で負け越し、ヤクルトのセ界独走を許した巨人は、阪神以上に深刻なチーム状況を抱えていた。スポーツ紙デスクは、失速の理由を「正捕手が定まらないこと」と断言する。
「今季の開幕マスクは小林誠司(33)ですが、徐々に原辰徳監督(63)が期待する東海大学の後輩、大城卓三(29)の出場試合が増えていきました。しかし、ふたを開ければ『打てる捕手』のはずだった大城の打撃が湿りっぱなし。そうなると、リード面の未熟さばかりが目に付くようになります」
ついには岸田行倫(25)や山瀬慎之助(21)ら若手を引っ張り出して捕手4人体制に。これでは投手陣も落ち着くはずがない。
「小林はネガティブで愚痴が多く性格面に難あり。残る2人も経験不足は明らかです。近年放出した楽天・炭谷銀仁朗(34)や日本ハム・宇佐見真吾(29)がそれぞれ他球団で活躍していることもあって、原監督の『正捕手人事』にはチーム内外から批判が噴出しているんです」(球団関係者)
特に炭谷の放出が致命的だった。若手同僚捕手の育成に関してはもちろんだが、投手陣にとっても経験豊富な炭谷のリードは貴重なものだった。なのに、
「昨季11勝の高橋優貴(25)は制球力で勝負するタイプでしたが、安心して投げ込める捕手がいなくなってイップス気味になっているそうです。若手投手の起用が目立つ今季こそ、ベテラン捕手の存在が重要なのに。現在、パ首位の楽天では『好調は(巨人から金銭トレードで移籍した)炭谷のおかげだ』ともっぱらだし、あるセの現役投手なんか『なんで出したんですかね。うちのチームはみんな笑ってますよ』とまで言っていました」(スポーツ紙デスク)
球団の一部では大城の重用を目論み、炭谷を用なしと判断した原監督の責任を問う声すら上がっているのだ。その結果が「4人回し」とは皮肉なものである。
*巨人VS阪神「だめほー」なベンチ裏レポート(3)につづく