巨人VS阪神「だめほー」なベンチ裏レポート(3)チーム作りに一貫性なし!

 もちろん、坂本勇人(33)やセットアッパーの中川皓太(28)の負傷離脱というアクシデントはあった。しかしそれを差し引いても、今季の原采配には疑問が残る。第2次原政権下で07〜10年にヘッドコーチを務めた伊原春樹氏が厳しく指摘する。

「若手を使う、育成の年にする、と言っても、調子が悪ければすぐにとっかえひっかえになり、一貫性がない。例えば昨季活躍した松原聖弥(27)は本来レギュラーで使うべきなのに、新しい外国人が来たからと出られません。そもそもそこに助っ人補強するのは、チーム作りの方針が定まっていない証拠ですよ。一塁で芽が出始めた増田陸(22)にしたって、中田翔(33)が1軍復帰したらまた出場機会が脅かされてしまう。坂本や岡本和真(25)も、一時ダメでも使い続けたから成長したんです。目先の勝利だけを追った優柔不断な采配では、チームは強くなりませんよ」

 巨人球団関係者は、采配に原監督の「焦り」が見て取れる、とあとを引き取る。

「原監督は昨オフに3年契約を結んでいますが、これは建前的なもので、本心では1年でも早く日本一になって勇退したい。要は、晩節を汚したくないんです。だから若手の成長を待てない、場当たり的な用兵になっている。中田に関しては長嶋茂雄終身名誉監督(86)がサプライズで2軍訪問し激励してしまったから、ミスターに気を遣って上げざるを得ない、という同情的な面もありますが(笑)」

 さらに、交流戦終了後の中断時期には、チームリーダー・坂本の醜聞も投下されチーム内に動揺が広がった。詳細を記事にした「週刊新潮」によれば、18年の宮崎キャンプ中、地元の夜の店で女性キャストのお持ち帰りに失敗したことに腹を立て、その女性に噛みつき、慰謝料550万を払って和解に持ち込んだというのだ。

「なぜ今さら持ち出されたのかはわかりませんが、コンプライアンス重視のご時世、トラブルを公表していなかったのも事実。球団の隠ぺい体質は多少の批判を受けて然るべきかと思います」(球界関係者)

 伊原氏が語る。

「昔の話だし放っといてやれよ、と思わないでもないが、ちょっとアイツにも気合いを入れにゃいかんね。今の巨人で坂本がいなくなったらどうなるか、今回よくわかったでしょう。坂本を脅かす選手も出てきてほしいんだがね」

 いずれもヤクルトの独走を許す体たらくだが、先行きの不安さでは、「球界の盟主」に軍配が上がりそうだ。

*「週刊アサヒ芸能」6月30日号より

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