ロシア戦車部隊を殲滅させた「UFO」の正体を追う【2】素人兵士でも“一発必中”

 国際軍事アナリストはこう明かす。

「飛行物体の動画はやたらとウクライナ側から出回っていて、その中には軍事用ドローン以外に偽のUFO動画もあります。ウクライナ侵攻が始まって間もなく話題になった、キエフ近郊で撮影された動画は、実際は15年に中国で撮られたものでした」

 こうした動画の投稿をアメリカ対ロシアの情報戦の一環と見るムキもあり、

「UFOの援護やアメリカの未知なる新型兵器が存在するかのように思わせることで、ロシア軍の兵士たちは警戒心を募らせ、士気を下げていく。陽動作戦とも受け取れます」(軍事アナリスト)

 アメリカの黒幕説が囁かれる中、バイデン大統領は一貫して「自国の軍隊を派遣しない」と主張していた。

 だが3月12日に、米ホワイトハウスは追加で最大2億ドル(約230億円)の軍事支援を発表。16日にも8億ドル追加を決定。政権発足後のウクライナ支援は、計20億ドル(約2300億円)にも上った。

「これまでアメリカが供与した武器には、対戦車ミサイルの『ジャベリン』と地対空ミサイルの『スティンガー』があります。この2つが主に使われるのは、素人でも扱いやすいから。ウクライナでは兵士に志願した人が3日間の訓練で戦場に送られ、そのレベルでも最低限の訓練で操作が可能。実際にロシア機を撃墜しているスティンガーは、肩に担いで撃つのですが、自動的に対象機を特定、追尾する構造なので命中率は高い。ロシア軍が攻めあぐねるのも理解できます」(潮氏)

 前線防衛でロシア軍の戦車を食い止めるジャベリンも撃ちっぱなしの構造を持っている。自動追尾で車体に命中する直前にホップアップして、人が出入りする天井部分から破壊する〝一発必中〟の秘密兵器なのだ。

「軍事用ドローンは素人兵士では簡単に扱えません。そのため、場合によっては操作できる人員も含めて供与していると思います。あまり言われていませんが、アメリカ軍は部隊としては派遣していないものの、ウクライナの軍隊に対する軍事顧問団として、将校やCIAのオフィサーが多数すでに国内で活動している。表向きはウクライナ軍の軍事指導ですけれども、ドローンの操作を含めて、必要な軍事支援を行っているということです」(潮氏)

 圧倒的な軍事力の差があるにもかかわらず、大国ロシアが手こずるわけだ。

*「週刊アサヒ芸能」3月31日号より

※画像は「CBN」が報じた戦車部隊の残骸

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