打撃ケージを破壊!「MLB96発の大砲」巨人・ポランコにまさかの弱点

 実績よりも、現状重視。松原聖弥が二軍落ちとなり、巨人の外野のレギュラー争いに不穏な空気が漂い始めた。

「立岡宗一郎が頑張っています。一軍昇格して即スタメンとなった11日は2安打、翌12日も適時打を放ち、『1番右翼』の開幕スタメンも見えてきました」(スポーツ紙記者)

 松原は昨季135試合に出場し、打率2割7分4厘、盗塁15と結果を残したが、オープン戦は打撃不振で苦しんでいた。二軍降格は「キャリアよりも現状」を優先する原辰徳監督の厳しさだが、立岡の奮闘で分からなくなってきたのが、外野のレギュラー争いだ。

「調整中のグレゴリー・ポランコが存在感を見せつけています。存在感という点では同時にチームに合流したアダム・ウォーカーもドレッド・ヘアで注目を集めていますが(笑)。ポランコは打球直撃でケージのネットを破壊し、ジャイアンツ球場の右中間に大飛球を飛ばすなど、メジャーリーガーのパワーを見せつけています」(球界関係者)

 松原の不振と重なり、「開幕ライトはポランコか」と予想する声も出始めた。しかし、松原が不振となれば、単に外野のポジションが1つ空いただけではなく、1番バッターも不在となる。1番バッターに求められる出塁率、スピードを考えると、フルスイングのポランコよりも立岡のほうが適任かもしれない。つまり、松原とポランコを入れ替えるだけの単純な話にはならないだろう。

「いや、打撃不振でいえば、松原よりも丸佳浩の方が心配ですよ」

 とは前出・関係者。このままでは「実績よりも…」の原監督が丸の降格を決断するのも時間の問題だというのだ。とはいえ石川慎吾、八百板卓丸、秋広優人らの若手もいるが、それぞれ決め手に欠く状態。一塁の中田翔が絶好調なので、ウィーラーは外野で固定できるだろう。
 
「右翼にポランコが入るとしても、守備が心配です。19年に利き腕の左肩を故障して以来、肩の強さでは平均以下ですから…」(現地ライター)

 甲子園、マツダスタジアム、バンテリンドームなどの広い球場では、ポランコを外野では使いにくいというのだ。一塁も守れるが、「中田を外して」という打線は考えにくい。また、松原が復調したとしても、自動的にレギュラー復帰とはならないはず。

 どうやら、今年の巨人は外野と1番バッターを固定できない“日替わり打線”となりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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