3月6日にテレビ東京で放映された日ハム対巨人のオープン戦。ともに68歳の落合博満氏と中畑清氏の同学年コンビが解説を務めて、野球談議で中継をおおいに盛り上げた。
6回表の巨人の攻撃。それまで落合&中畑コンビの話題は野球の練習論だったが、坂本勇人に打順がまわると、実況アナウンサーが「14年連続100試合以上の出場、3割5度、2019年のホームラン40本を筆頭に15本以上10度、ゴールデングラブ5度。落合さん、ショートとしてこれだけずっと活躍しているわけですからね」と話を振ると、落合氏は「まだまだ老ける年じゃない」とコメント。
続けて、残り125試合でショートとして2000試合出場を達成するとのことで、中畑氏は「この数字もすごいですね」「二遊間ってのは厳しいですよ」「私はいちばん楽なサードとファーストしかやってないんでね」と謙遜気味に話すと、落合氏は「いや、ファーストきついぞ」と反論。さらに「やること多すぎるぞ、ファーストは」と続けた。
その後、落合氏と中畑氏が1994年のシーズンを巨人でともに戦った経歴を紹介。落合氏は中日から移籍して1年目で四番打者として活躍。一方の中畑氏は一軍コーチを務めていた。落合氏は唐突に当時の思い出をこう振り返った。
「ファーストでケガして、(中畑氏に)おんぶしてもらったよ、俺は」
これを受けて中畑氏は「よく倒れなかったと思う。めっちゃ重いの。このオチ(落合氏)が。階段下りるとき、ベンチの…背負いながら。力抜けちゃってるから、よけい重いのよ。あ、そういう話はいいのか」とコメントして解説ブースは笑いに包まれた。
「中畑さんが落合さんをおんぶしたと聞いても、若い視聴者にはわからなかったと思いますが、落合さんが明かしたのは1994年のペナント最終戦。同率首位で並んだ巨人対中日による伝説の『10・8決戦』でしょう。この日、落合さんは4番に座り、1打席目に本塁打、2打席目にタイムリー安打と大活躍。しかし、3回裏に、中日・立浪選手(現監督)が打った1塁ゴロをさばこうとした時に左足の内転筋を負傷。スタッフが担架を持ってきたのですが、落合さんは一塁コーチを務めていた中畑さんの背中におぶさってベンチへと下がりました。落合さんは治療を受けてグラウンドに戻ったものの、その後の日本シリーズでは出場機会が激減。とはいえ、落合さんにとって現役時代、チームが日本一になった唯一のシーズンだけに、忘れられないシーンとして記憶に焼き付いているのでしょう」(スポーツライター)
なお、日ハムと巨人のオープン戦は熱戦が続く中、放送時間を延長することなく、予定時間に放送終了。SNSでは「もっと落合&中畑の聞きたかった」「落合が脱線トークするの珍しい。また解説して」といった声が見られた。トークのキレ味はまだまだ現役のようだ。