ワタミ経営陣に渡邉美樹氏復活で恐れられる“ブラック企業”への逆戻り

 居酒屋「和民」など飲食店を展開するワタミが、5月24日に、創業者で参院議員の渡邉美樹氏を取締役の候補者に選任したと発表したが、これにネットでは《暗黒王の帰還か!》と話題になっている。

「ワタミは2013年、渡邉氏が参院選に立候補するため同社の役職を全て辞職した直後に“ブラック企業大賞”で大賞を受賞するなど、当時はブラック企業の代名詞的存在となりましたからね。実質、同社のそのような体質を作り出した渡邉氏は、2月の時点ですでに次の参院選には出馬せず政界引退を表明しており、ワタミの経営に戻ることは既定路線。そのため、《またブラックに逆戻りするのでは》と揶揄されているんです」(ネットウォッチャー)

 ブラック企業に詳しい専門家によれば、ワタミは外部有識者の「業務改革検討委員会」により改革を進め、現在は労組の結成によりベースアップを実現させ、公休の確保や残業時間減に務め、ホワイト企業に生まれ変わっているという。結果、13年には3年以内離職率が42.8%だった状況も、17年の離職率は8.7%にまで改善されている。

「ワタミは失墜したイメージを回復するために、『和民』の店舗を別業態の居酒屋に転換して刷新したり不採算店を閉店することで業績を回復させる一方、脱ブラック化を本気で進めてきました。その成果もしっかり上がっているため、渡邉氏が戻ったからといっていきなりブラック化することはないでしょう。しかし、渡邉氏の会長時代のスパルタ経営ぶりは散々伝えられており、周囲は飲み込まれないように注意しなければなりません」(経済ジャーナリスト)

 強烈キャラの6年ぶりの復帰でワタミがどう変わるのか、注目だ。

(小林洋三)

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