12月10日放送の経済ドキュメンタリー「日経スペシャル ガイアの夜明け」(テレビ東京系)で、時間外労働の是正に取り組む定食チェーン「大戸屋」に密着するという内容を放送したのだが、その内容が波紋を広げている。
「今年4月から働き方改革のひとつとして、厚生労働省は時間外労働の上限を月45時間、年間360時間までと定めました。番組では、時間外労働が常態化している大戸屋にスポットライトを当て、新宿東口中央通り店、中野北口店、吉祥寺店の3店の店長の取り組みに密着。“改善に向けて努力する姿”というテイで追っていたのですが…」(テレビウォッチャー)
年に一度、全国の店主が集う「店主会」で、ほとんどの店主が規制を超える残業をしていることを聞いた山本匡哉社長は、「本気になってる? 目が死んでいるんだけど。本気でやってるとは思えない」と1人の店主を叱責。また、時間外労働の削減に取り組む中野北口店の店主に対しても「空回りなんだって努力が」「お店なくなるよ」など、厳しい意見を投げつけるシーンが幾度となく繰り返されたのだった。
これに対しネット上では、《大戸屋がブラック企業すぎて笑えない。残業するな、売上は上げろ、やり方は店手に任せるって酷すぎない?》《残業100時間してる店主に「目が死んでる」って…。どう見ても社長が追いつめている》《企業イメージ悪化が避けられないだろ》など批判が殺到しているのだ。
「正直言って、よく大戸屋はこれを放映することを許可したなとも思います。時間外労働削減への取り組みとして企業の方針は示されず、店主に丸投げした状態で精神論を振りかざし、出来なければ店主を降ろすと迫っているようにも見えますからね。これを観た人が大戸屋は頑張っているなどとは、どう考えてもならないと思うのですが…」(経済ジャーナリスト)
今年はバイトテロの影響もあり赤字となった大戸屋。また内部の問題で客離れとならなければいいが…。
(小林洋三)