巨人を崩壊させた「戦犯」の背信プレー(2)3.5億円でウハウハ、もう投げない

 昨季8勝を挙げたサンチェス(31)は、今年もローテの一角を担っていたが、ドミニカ共和国代表として東京五輪に出場した後、後半戦の登板はゼロだった。

「契約最終年の今季は前半戦で5勝5敗、防御率が4.68という成績でした。故障ということになっていますが、これは医師の診断ではなく『右肩に違和感がある』という自己申告に基づくものなんです。要は、来季以降の契約をすでに諦め、もう投げない腹づもり。それで年俸3億5000万円もフトコロに入れば、もうウハウハですよ」(球団関係者)

 中4日という無理筋なローテを組むことになったのも、サンチェスの不在が原因と言えるだけに、戦犯度は極めて高い。

「扇の要」である捕手もウィークポイントだ。開幕当初は、打てる捕手として期待がかかる大城卓三(28)を起用、バックアッパーに経験豊富な炭谷銀仁朗(34)を配置した。しかし、7月に炭谷を楽天に放出する凡ミスを犯してしまう。スポーツ専門誌記者が言う。

「捕手陣のまとめ役だった炭谷ですが、出場機会を求めて移籍を志願。選手会の会長でもある炭谷に、原監督が恩を売るために送り出した格好です。でも、これが痛かった。残った大城はリード面でまだまだ甘く、小林誠司(32)はご存じの通りまったく打てない。結局、若手の岸田行倫(25)と小林を併用し、原監督自ら『やらない』と明言していた大城の一塁出場も増え始め、本末転倒の事態になっています。炭谷がいれば勝てた試合というのも、かなりあったように思います」

 選手だけでなく、コーチ間の不和も噴出した。前出の巨人番記者は、鳴り物入りで就任した桑田真澄投手チーフコーチ補佐(53)を名指しして、

「自身もケガに苦しんだ桑田コーチは、ケガや故障については人一倍敏感で、選手寄りのケアをする人。菅野も桑田コーチの言うことだけは聞くし、英語が話せるのでサンチェスも懐いている。2人に相手にされない宮本和知投手チーフコーチ(57)にとっては面白くなく、『俺がチーフだぞ』とグチを漏らすようになりました。桑田コーチは理論派ですが、選手本位に立ちすぎた。サンチェスの離脱だって、元はと言えば桑田コーチがそれを認めているから。悪く言う選手はいませんが、首脳陣やフロントの一部からは『甘やかしすぎだ!』とコーチ手腕に大ブーイングですよ」

*「週刊アサヒ芸能」11月4日号より。(3)につづく

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