「趣味が芸を超えた」キングオブコント王者たち! そのすごすぎる腕前

 9月6日に「キングオブコント2021」(KOC)の決勝進出10組が確定した。昨年末の「M-1グランプリ2020」で即興コンビのおいでやすこがが準優勝したことを受けて、今年からKOCは応募資格が一部変更。プロ・アマ、所属会社の有無を問わず、芸歴の制限なし、即席ユニットの出場が可能となった。

 KOCは昨年のジャルジャルまでで、これまでに13組の王者が誕生。初年度(08年)は13年も前とあって取り上げられることも減ったが、優勝したのはバッファロー吾郎(バッファロー吾郎A&竹若元博)。現在はコンビ活動を休止しており、吾郎Aは俳優としての活動を増やしている。竹若はDIY芸人のパイオニア。芸歴30年超えのベテランは、それぞれが得意分野を生かしている。

 芸能人のDIYといえばヒロミが有名だが、竹若は2人の子どもと妻、2匹の愛猫が住む一軒家をみずからの手で建てた最強のアマチュア。多くのメディアに取り上げられ、関連書物もある。

「12年に東京郊外に土地を購入して、13年に約6カ月かけてマイホームを完成させました。閑静な住宅街で、図面や基礎工事、キッチン周りの一部などはハウスメーカーに依頼しましたが、吹き抜けの天井、土間、ウッドデッキ、廊下を利用した書斎、自分の部屋はハンドメイド。おかげで家族円満を手に入れたそうです」(エンタメ誌ライター)

 壁塗りなどの技術習得のために、文化教室に通った。その甲斐あって、500万円もコストダウン。幼稚園児だった子どもたちは中学生になった。竹若は現在、吉本興業のDIY部の部長。メンバーには、作品が海を渡って有名になっている野性爆弾のくっきー!もいる。

 KOC11年の覇者はロバート。馬場裕之は仕事の8~9割が料理開発・プロデュース業になっている。レシピ本を2冊出版、サントリーのCMに出演するほか、食にまつわるイベントのゲストに多く招かれ、4月からはTBS朝の情報生番組「ラヴィット!」の月曜レギュラー。オリジナルの格安レシピを紹介して、ラヴィット!ファミリーを感嘆させている。

 14年のKOCファイナリストである元「犬の心」のいけや賢二は、もはや料理人の域に達している。吉本の料理部の部長であり、98年ごろから芸人と飲食店の厨房という2足のワラジをはき続けた。今年1月にはアフリカ最大の人口をかかえるナイジェリア連邦共和国に初進出して、配信番組「Japanese cuisine show in Nigeria」に出演。巻きずし、かき揚げなど日本の食材を使った料理を、現地の人気インフルエンサーに紹介している。

「一方のM-1では、16年から18年の3年連続準優勝となった和牛の水田信二は調理師免許を持ち、大阪で和食、神戸で洋食の修業を計7年間もしたホンモノ。昨年の準決勝コンビのおいでやすこがのこがけんは、芸人を一度あきらめたあと、和食居酒屋で5年間も板前修業。29歳で再び芸人の世界に戻ってきました」(前出・エンタメ誌ライター)

 和牛とおいでやすこがは、芸人として舞台、テレビの世界で生き残っている。対する竹若や馬場、いけやは趣味を昇華させて稼げるようになった。お笑い芸人として正解はどっちだ。

(北村ともこ)

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