2020「M-1ファイナリスト」は‶元相方”もファイナリストだった!

 今年も年末に漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2021」が開催される。昨年はコロナ禍でさまざまな制約があるなか、史上最多となる5081組がエントリー。頂点に立ったマヂカルラブリーはその後引く手あまたで、優勝を逃したコンビも大半がテレビタレントとして成功している。

 昨年大会の決勝戦進出コンビには、ある共通点がある。元相方もメジャーコンテストのファイナリストなのだ。

 準優勝は、おいでやすこが(以下、おいこが)。ピン芸人のこがけんと、「R-1ぐらんぷり」(現「R-1グランプリ」)で16年から5年連続で決勝戦に進出してきたおいでやす小田による即興コンビ。小田は01年から1年半ほど「蛇腹」というコンビ芸人だった。当時の相方は西森洋一。現在はモンスターエンジンで、大林健二を相方に持つ。

 モンエンは、08年と09年のM-1ファイナリスト。09年と11年は「キングオブコント」(KOC)の決勝戦に進出した二刀流でもある。10年には、上半身が素肌、下半身が黒のスパッツ姿で神様に扮する「ヒマを持て余した神々」のコントがヒットしている。

 おいこがと同じく、初のM-1で運命を激変させた中年コンビに、錦鯉がいる。長谷川雅紀が49歳、渡辺隆が42歳(当時)というコンビは史上最年長ファイナリスト。結果は4位だったが、所属するSMAから初となるM-1ファイナリストとなり、今なおテレビ番組からのオファーが絶えない。

「渡辺は過去に2度コンビを解散しているのですが、大学中退後の最初に組んだのは『ガスマスク』。今年8月で芸人を辞めた元『オテンキ』の江波戸邦昌が相方でした。その後、同じSMAの『だーりんず』の小田祐一郎を相方に、『桜前線』を結成。小田はキングオブコント2016と2018のファイナリストです。その後コンビ解消に至っています」(エンタメ誌ライター)

 敗者復活戦から勝ち上がって、決勝7位に甘んじたインディアンス。田渕章裕ときむは、1度解散している。再び結成するまでのわずか半年ほど、怒濤のボケをかます田渕は兄弟漫才師のミキの昴生と「やぶれかぶれ」を結成。互いにボケを希望し、歩み寄ることをしないまま、解散した。

「アキナの山名文和は、元相方がアインシュタインの河井ゆずる。『河井山名』『やじろべえ』のコンビ名で活動する関西のローカル芸人でした。当時から山名は冗談好き。相方に、『自分は先祖が与謝野晶子で、家に写真もある』と謎の嘘をついていたらしい。アキナはM-1で昨年は決勝8位。16年の大会では5位でした」(前出・エンタメ誌ライター)

 山名は今年7月、吉本新喜劇の美人座員である宇都宮まきと電撃結婚した。

 才能と才能がバッティング。M-1芸人の元相方もM-1やKOCで好戦績を収めていたのは、単なる偶然ではないはずだ。

(北村ともこ)

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