今年のM-1王者は決まり!? お笑い界を席巻する「大宮セブン」の実力

「キングオブコント2021」(KOC)で空気階段が優勝したことで、東京・高円寺に住む芸人の強さがフィーチャーされた。決勝進出者のうち、空気階段の鈴木もぐら、ニューヨークの嶋佐和也、そいつどいつの市川刺身、マヂカルラブリーの村上が高円寺芸人。ところが、「M-1グランプリ」とKOCのダブルファイナリストである嶋佐は、近々目黒区に引っ越す予定。昨年のM-1覇者である村上は、新中野の家賃26万円の高級マンションに引っ越した。

 高円寺が売れる芸人の登竜門になりつつあるが、同じように注目されたのが、埼玉県にある吉本興業管轄の大宮ラクーンよしもと劇場。吉本が14年7月に建てた固定座席数141席の小劇場だが、メジャーコンテストのファイナリストや優勝者を輩出したことで、芸人のパワースポットと呼ばれている。

 劇場がオープンした4カ月後の14年11月に誕生したのが、「大宮セブン」という芸人枠。これまでに何度もメンバーが入れ替わったが、現在は囲碁将棋、すゑひろがりず、ジェラードン、GAG、マヂカルラブリー、タモンズで落ち着いている。

「マヂラブといえば、昨年上半期は野田クリスタルがピンで『R-1ぐらんぷり2020』で優勝。下半期はコンビでM-1を制し、同一年でダブル覇者となった唯一の芸人となりました」(エンタメ誌ライター)

 マヂラブによって一気に広まった大宮セブンだが、実は19年から兆しはあった。袴姿で小鼓を鳴らす狂言風漫才でM-1決勝戦に初進出した、すゑひろがりず。南條庄助は翌年のR-1で決勝3位に輝き、2年経った今なお2人はテレビの世界で活躍している。昨年のコロナ自粛中に開設したYouTubeチャンネル「すゑひろがりず局番」は、“狂言風あつまれ どうぶつの森”が大バズり。動画配信でも大金を得た。

 大宮セブンではないものの、大宮ラクーンよしもと劇場と切っても切れないのが、おいでやすこが。昨年のM-1準優勝コンビであるこがけん&おいでやす小田の即席コンビ。誕生のルーツが大宮なのだ。

「19年の春、同劇場でツッコミ芸人がピン芸人を相手にどれだけおもしろくツッコめるかを競うイベントがありました。小田がクジで当てたのが、こがけん。これが大爆笑となり、小田はM-1で一緒に組んで出場する予定だったゆりやんレトリィバァから寝返り。相方をこがけんに変えたことで、運命が変わったのです」(前出・エンタメ誌ライター)

 テレビ出演こそ少ないが、GAGはKOC決勝戦に4度も進出している実力派。ジェラードンもネタ番組から呼ばれる回数が増えている。

 今年のM-1王者は誰か。大宮伝説に続きはあるか。

(北村ともこ)

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