「M-1グランプリ2020」で準優勝してお笑い界に革命を起こした、おいでやすこが。ピン芸人のこがけん+おいでやす小田によるユニットだが、小田の大声怒鳴りツッコミが芸として確立された。
小田は、ピン芸人日本一を決める「R-1ぐらんぷり」(当時)に16年から5年連続で決勝進出を決めた記録保持者。漫才師としても足跡を残そうと、17年と18年にゆりやんレトリィバァとのコンビでM-1にエントリーしている。しかし、それ以前の01年からわずか1年半ほど、「蛇腹」というコンビ名で活動している。元相方は、モンスターエンジン・西森洋一だ。
「解散を切りだしたのは小田のほう。西森はその後、大林健二と荒牧周平で『にのうらご』を結成。荒牧が抜けて2人になって、モンエンになりました」(エンタメ誌ライター)
深夜のカルトネタ番組「あらびき団」(TBS系)で披露したショートコント「神々の遊び」でブレイクしたモンエンは08年と09年のM-1ファイナリストだ。
おいでやすこがが世に出るきっかけとなった昨年のM-1では、元相方もM-1戦士いうコンビがもう1組いた。インディアンスだ。
「ボケまくる田渕章裕は、同期のきむと1度解散して再結成しました。その出戻り前、わずか半年ほどですが、『やぶれかぶれ』というコンビを組んでいます。相方は、兄弟漫才コンビとして大人気のミキ・昴生。お兄ちゃんのほうです」(前出・エンタメ誌ライター)
インディアンスは、19年と20年のファイナリスト。「お笑い第7世代」の筆頭格であるミキは、17年と18年のファイナル舞台で人気と知名度を爆発させた。18年は優勝候補に挙げられながらも4位に甘んじ、翌19年は準決勝戦で敗退。その貴重な1席を初ゲットしたのがインディアンス。M-1の舞台でミキと戦いたいという夢は実現しなかった。
昨年のファイナリストだったアキナの山名文和は、元相方がアインシュタイン・河井ゆずる。15年に初決勝を決めたメイプル超合金のカズレーザーは、元相方がさらば青春の光・東ブクロ。「キングオブコント2012」の準優勝コンビで、大会史上最多となる6度もファイナリストになったさらばは、KOCの申し子だ。
解散、出戻り、バツ1など、あらゆるまわり道をしても、M-1に引き寄せられる芸人たち。決勝のステージで元相方同士がぶつかった例は、まだない。
(北村ともこ)