玉木雄一郎、激白(4)「国民民主党に足りないのはテリーさんみたいな切り口」

玉木 あとはこれまでの発想を全部ひっくり返せないかなと思ってて。例えばテリーさん、「高齢者が若者を支えてください」っていう社会はダメかな。

テリー 7月に発表された今年の税収ね、僕はてっきり赤字だと思ったら過去最高だった。ということは、当たり前だけど、この状況でも儲かってる会社があるんですよ。僕はそういう会社に「75歳までの高齢者を雇ってくれ」と言えばいいと思うんですけどね。

玉木 あ、それいいですね。

テリー というのは、高齢者が何がいちばん嬉しいかというと、働く場所があることなんですよ。だから儲かってる会社に「法人税を払うぐらいなら、75歳までの元気な人をたくさん使ってくれ」って言うのがいいんじゃないかと思うんです。

玉木 まぁ、税収は法人税も所得税も増えてなくて、増えてるのは消費税ですけどね。ただ、みんな働きたいっていうのは、おっしゃるとおりだと思います。

テリー 政治家は国民に保障するとかしないとか言ってるけど、そのお金って税金で、税金は国民のお金だからね。「その金を使ってるクセに、何を『保障してやる』とか偉そうに」って国民は思ってるから。「儲かってる会社、申し訳ないけどお願いします」っていうのは、みんな「なるほどな」と思うんじゃないかな。そういうほうがピンと来ると思うんですよね。

玉木 今、国民民主党に何が足りないかっていうと、そういう切り口だと思いました。昨日も今日も年金制度どうしましょう、雇用政策どうしましょうって政策の話はしてるんです。ただ、我々はどんなに考えても、みんな同じ思考回路にいるので、テリーさんみたいな切り口は出てこない。ある種、テレビの人の話って大事で、切り口とか見せ方とか単純化の仕方とか、我々と全然違うんですよね。

テリー やっぱりIQが高すぎるんですよ。あと、政治家の方たちは僕たちとはまた違う能力が必要で、地道じゃないですか。

玉木 その究極が、国民民主党なんですけどね。

テリー すごくわかります。ただ、今の時代、大衆にわかりやすい言葉でやらないと、次の選挙は厳しいと思うんです。国民民主党は今、どの調査でも支持率1%前後ですよね。少なくとも倍にしたいよね。

玉木 ブレイクさせたいですね。ヒット曲が1曲出れば、アーカイブも見てくれて、「他もいい曲あるね」みたいになるんですけどね。だから、それが「1日3000歩」なのか何なのか、わからないんだけど。

テリー そういう戦略会議みたいのって、やってるんですか。

玉木 いや、やってないですね。だからダメなのかな。

テリー 政治家だから、それはそうなんですけどね。でも、それは歌が上手くなりたい歌手が発声練習してるのと一緒ですよ。それをプロデュースして、ヒットさせるのは秋元康さんみたいな人で。

玉木 歌を上手に歌うことばっかり考えてました。ほんとそうですね。わかりやすいキャッチフレーズも大事ですよね。

テリー 期待してます。

玉木 我々国民民主党はものすごくいい政党なんですよ。なかなかまだ知られていないですけど、万馬券になる前に、ぜひ買っておいてもらいたいなと。

テリー アサ芸読者は万馬券が好きだからね。

玉木 ほんと期待を裏切りませんのでね。泥んこになっても走りまくりますから、とにかく買ってください。

テリーからひと言

 玉木さん、意外と三枚目でおもしろいんだよね。ただ、それもテレビだと伝わってないから、そのおもしろさを伝える相方がいるといいのかもしれないね。

玉木雄一郎(たまき・ゆういちろう)1969年、香川県生まれ。東京大学法学部卒業後の93年に大蔵省入省。2009年、第45回衆議院議員総選挙に民主党公認で香川2区から立候補し、初当選。その後、民主党政調副会長、民進党幹事長代理などを歴任。18年から旧国民民主党の代表を務めた後、新「国民民主党」の代表に引き続き就任した。早くから旧民主党若手のホープとして知られ、実家は兼業農家で農政通でもある。

*「週刊アサヒ芸能」8月26日号より

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