青森県八戸市が「サウナーの聖地」である理由とは?

 今や中年紳士だけでなく若い女性にも愛好家が急増しているサウナ。国内のサウナスポットを紹介する『全国版サウナマップ』によると、サウナのある公共浴場や宿泊施設、スポーツクラブなどの数は全国に5530カ所。もはや空前のサウナブームといっても過言ではない。

 そんな彼らにとって地方のサウナは、出張や旅行の際の大きな楽しみのひとつ。実は、一部のサウナーたちの間で「早朝営業のお店が多い」と話題になっている街がある。青森県第2の都市、八戸市だ。

「八戸は全国第10位の漁獲高を誇る東北を代表する港町。深夜から働いている漁業・水産関係者が多いため、銭湯や温泉が朝5時台や6時台から開いているんです」

 そう説明するのは、全国のサウナ事情に詳しいライター。実際にサウナを完備している市内の公衆浴場の営業時間を調べると、20軒以上が朝4~6時台にオープンしている。

「もともと八戸は、人口あたりの銭湯の数が日本一多い街。昔から朝風呂、朝サウナが根付いていた土地なんです。最近、各地で見かけるオシャレな施設こそ少ないですが、地元の方から愛されているサウナが多く、それを目当てに訪れる人もいるほどです」(同)

 八戸市自体は広い街だが、早朝営業のサウナは本八戸から八戸港にかけての市内中心部に集中。夜明け前からサウナをはしごすることも可能だ。

「原田泰造主演の『サ道』(テレビ東京系)の新シリーズの放映も始まりましたが、もはや一過性のブームではなく文化として根付いてきた印象を受けます。特に八戸はお風呂が温泉の施設も多く、それでいて入浴料が銭湯並みなのでコスパも高い。今はまだ知る人ぞ知る存在ですが、〝サウナの町〟として全国から注目される日もそう遠くないと思います」(同)

 早朝からサウナで汗を流し、その後は美味しい海の幸で舌鼓。そんな旅も悪くない。

(高島昌俊)

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