今や「ととのう」という言葉が社会的に認知されるなど、日本人にすっかり受け入れられている感のあるサウナ。温泉やスーパー銭湯には当たり前のようにあり、サウナが主役の温浴施設も増えている。
だが、日本のサウナ文化はあくまで〝外に入りに行くスタイル〟で、自宅でサウナを楽しむ習慣はない。なぜなら本場フィンランドとは違って、自宅にサウナのある人がほとんどいないからだ。
ところが、近年ではマンションなどの集合住宅にもサウナ付きの物件が急増。自宅で〝サ活〟したい愛好家から人気を集めている。
「浴室の隣に1〜2人用のサウナを設置したり、住民専用の本格的な共用サウナを完備したマンションもあります。最近のタワーマンションなどは共用施設としてサウナ付きスパのほか、プールやフィットネスジムを用意している物件も多く、販売業者にとっては物件の大きなアピールポイントにもなります」(住宅専門誌編集者)
ちなみに大手不動産情報サイト「SUUMO」の新築分譲マンションのページで「サウナ付き」でキーワード検索をしたところ、ヒットした物件は全国に180件(※4月26日現在)。その大半が関東と関西に集中し、タワマンであれば1億円を超える物件がザラだが、なかには5000万円台の比較的手頃な価格で購入できるサウナ付き物件もあった。
「ただし、マンションの場合はサウナ付きを謳っていても、ミストサウナ機能がついているだけ、というタイプも多い。ミストサウナであれば、自宅の浴室をミストに変える便利グッズもありますし、ミストを噴出する専用シャワーヘッドや、お風呂の湯気を閉じ込めてサウナにしてしまう『サウナ傘』なんていうグッズもありますからね。一方、せっかく本格的な個人用ドライサウナがあっても、数年後にはすっかり物置代わり…なんてパターンもままあります。本当に必要なのか慎重に判断したほうがいいと思います」(前出・編集者)
そう言われると、たまにスーパー銭湯のサウナに入るくらいでいいのかも。