競馬界において若手騎手の活躍を思い知らされたのは昨年、二世騎手2人の活躍だった。
デビュー4年目の横山武史(22)が94勝をあげて関東リーディングを獲得(全国6位)。東のニューリーダー的存在にのし上がると、西ではデビュー2年目で「黄金世代」の一人、岩田望来(みらい)(20)が76勝で全国9位に入った。
「武史のデビュー前、父のノリさん(横山典弘・52)が『あいつマジでヤバいから覚えておいたほうがいい。恐らく相当なものになる』と話していましたが、その言葉どおり、デビュー年から13勝、35勝、54勝、94勝と着実に勝利数を伸ばしています」(スポーツ紙記者)
2月14日の共同通信杯では4番人気のエフフォーリアで優勝。デビュー戦から手綱を握る横山武が、もし、このエフフォーリアでクラシックを制するようなら、父と同じ5年目でのGⅠ制覇となる。
一方の岩田望は昨年、同期の中でいち早く通算100勝を達成したが、重賞勝ちはまだない。
「本人もそのことを気にして焦りを感じているみたいです。ただ、藤原英昭厩舎に所属していることは強み。リーディングトレーナーにも輝いた藤原師が積極的に自厩舎の馬に乗せていますから、初重賞勝利もそう遠くはないのでは」(スポーツ紙記者)
実際、昨年の依頼厩舎別勝ち鞍では、自厩舎の馬で15勝をあげ、ダントツ。藤原英厩舎の馬に騎乗してきた時は要注目となるのだが、そのほかの狙い目について、伊吹氏が解説する。
「馬主別の3着内数を見るとゴドルフィンが1位(19回)で、キャロットファームが2位(18回)。ゴドルフィンの所有馬に騎乗したレースは3着内率39.6%(同105%)、キャロットファームは3着内率37.5%(同131%)。ちなみに横山武騎手は12勝のウインがトップ。騎乗回数も96回と多く、3着内率34.4%(同111%)で、成績面でも申し分ありません」
岩田望と同じ全国9位につけているのが西村淳也(21)。昨年あげた50勝の内訳は福島17勝、中京12勝、小倉11勝、新潟5勝、阪神4勝、京都1勝と主にローカルで活躍している。
「昨年4月25日の福島牝馬Sでは、15番人気のランドネで3着し、227万馬券に貢献した。淳也は若手の中でも一、二を争うほどスタートセンスがいいし、ペース判断もしっかりしている。だから小回りの福島や小倉はピッタリ。ローカルでの騎乗が多いためか、同じようにローカルを主戦場とする藤田菜七子(23)に強いライバル意識を持っているみたいだけどね(笑)」(栗東トラックマン)
ローカルで狙い目なのはデータからもうかがえる。アサ芸の連載でおなじみの伊吹雅也氏によると、
「中央の3着内率が13.6%(同76%)なのに対して、ローカルは3着内率26.2%(同92%)。勝率や連対率、単勝回収率にも大きな差がありました。単純にローカル場が合うタイプとみていいでしょう」
地方でのムチさばきにも注目だ。