令和初「日本ダービー」で必中激論(2)人気薄の単騎逃げ狙いで回収率が大幅にアップ!

渡辺 では、和田さんの本命は?

和田 ダノンキングリー。ただ、現時点での本命であって、条件があります。良馬場で真ん中より内枠に入ること。大外枠や雨が降った場合は印を下げます。それぐらい紙一重の馬だと思っているんです。

渡辺 距離は大丈夫ですか? 皐月賞の時ですら長いかも、って言われていましたよね。

和田 はい、この馬は〝A級マイラー〟だと思います(笑)。本質はね。皐月賞では4コーナーでちょっとブレーキを踏んだのが結果的に響きましたが、ゴール前はもう一度伸びていたように勝負根性がある馬。理想は共同通信杯(1着)の形です。リオンリオン、ロジャーバローズのあとの3番手にがっちりつけて、最後スコーンと抜けるという。

渡辺 確かに、過去にはウオッカなど、マイラーと言われた馬でダービーを制した馬もいますけどね。水戸さん、血統的にはどうなんですか?

水戸 特に折り合い難のある馬ではないし、距離がもたないと決めつけるのは怖いよな。ただ、もう少し破壊力が欲しい。あと、この馬とヴェロックスについては、成長力という点でもの足りなさを感じるところもある。ダノンキングリーはデビュー時から体重が増えていないし、ヴェロックスは8馬身ちぎったデビュー戦が492キロで、この前の皐月賞が478キロ。数字が全てではないけど、今は若駒がどんどん成長していく時期。2頭の強さは認めても、数字的に成長ぶりがうかがえないのがなんとなく気になるところではある。

渡辺 ヴェロックスについては、いまだ東スポ杯2歳S(4着)のイメージが残っていて、東京で速い上がりは使えないという不安もあるんですよね。ただ、川田騎手は乗れてますから、馬券的に軽視はできませんけど。

和田 じゃあ、キャプテンの本命は?

渡辺 枠順にもよりますけど、現時点ではリオンリオンの逃げ切りに期待です。「まぐれ逃げはあっても、まぐれ差しはない」という格言があるように、最近、馬券の回収率がよくなったのは、人気薄の単騎逃げを狙うようになったから。それに、サートゥルナーリアを負かすとすれば、それより前にいる馬しかいないと思っているんです。

水戸 父がルーラーシップで祖母がトゥザヴィクトリー。同じ舞台の青葉賞を勝っているように、2400メートルがいいことは間違いないな。枠順によってロジャーバローズとどっちが逃げるかだけど、内枠に入ればノリ(横山典弘騎手)が他の馬に脚を使わせる逃げを打つ可能性は高いと思う。

和田 過去にアイネスフウジン(90年)やサニーブライアン(97年)が逃げ切っていますが、ダービーで逃げ切るのは難しいですからね‥‥。

渡辺 でも17年にノリさんは、今ではマイラーのマイスタイル(14番人気)で逃げて4着に残しています。そのマイスタイルよりは、リオンリオンのほうが強いでしょう。侮れませんよ。

水戸正晴:サンケイスポーツ記者。競馬記者歴は40年を優に超えている。穴党にファンが多く、愛称は「水戸万助」。週刊アサヒ芸能で「『絶対万券』論」を執筆中。

キャプテン渡辺:ピン芸人。テレビ東京「ウイニング競馬」に出演中。競馬歴は24年目。今年の回収率は100%をキープしている穴党の勝負師。

和田稔夫:競馬専門誌「Gallop」予想担当。記者歴は21年目。藤沢厩舎に強く、美浦トレセンを中心に取材の鬼としても知られる。

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