やはり大輔はタダものではない。
落馬負傷で療養していた佐々木大輔騎手(20)が、4月13日の福島競馬で約2カ月ぶりに戦列復帰。いきなり2勝して競馬ファンや競馬関係者を喜ばせた。
当初は戻って来るのは5月になってからだろうと思われていたが、強靭な回復力をみせ半月ばかり早いカムバックとなった。そして2日間で17鞍に騎乗し2勝、2着2回、3着1回と結果を出してみせる。これで通算91勝となり、あと10勝すれば見習い騎手を卒業だ。
佐々木大輔はルーキーイヤーこそ9勝に終わったが、2年目に68勝を挙げてリーディング12位になった若手のホープ。いまや美浦所属の騎手では戸崎圭太、横山武史と並ぶほどの人気ジョッキーだ。それだけに、調教師や馬主は復帰を心待ちにしていた。
「普通はケガ明けで17鞍には乗らない。よほど体力に自信があるのだろう。その17鞍の中には、美浦の堀宣行厩舎や木村哲也厩舎だけでなく、清水久詞厩舎や須貝尚介厩舎といった栗東の有力厩舎の馬もいて、彼への期待の大きさが分かる。まだ重賞勝ちはないが、このままいけば今年中には勝てるだろう。エージェントはトウショウ牧場にいた町田周平が務めているが、騎乗依頼が次から次へときて嬉しい悲鳴を上げているとか」(トラックマンA氏)
今週、土曜は東京で8鞍、日曜は福島で10鞍騎乗する。東京では、7R・4歳上500万下のショウナンアビアスは地方からの再転入馬だが、転入初戦で0秒1差の4着しているようにチャンス十分。11R・オアシスステークス(オープン)のユティタムも、未勝利から3連勝してジャパンダートダービーでも4着した素質馬で、走りが楽しみだ。
福島では5R・3歳未勝利のアンクローシュ、6R・3歳未勝利のカネコメファミリー、11R・福島中央テレビ杯のコナブラック、そして12R・4歳位500万下のヒルズカーンなどが楽しみ。中でもコナブラックは、短距離路線にシフトチェンジしてからは1着、3着、3着と安定して走っており、そろそろ順番だろう。平坦・小回りの福島も向いているので決めたい。
彼は現在14勝でリーディング18位だが、どこまで上がっていけるか楽しみだ。
(競馬ライター・兜志郎)