「あかん事を拡散すな!」維新国会議員が広めた“マスク会食”の作法に猛批判

 新型コロナ対策と飲食事業の救済を両立させる手段として、その効果に着目されてきた「マスク会食」。現職の国会議員がその作法を紹介したところ、大きな波乱が巻き起こっている。

 参議院議員で日本維新の会の総務会長を務める東とおる議員(54)が、自身のTwitterに「マスク会食」についての動画を投稿したのは2月13日のこと。東議員は《皆さん、吉村知事が推奨しているマスク会食をご存知ですか?飲食店を助けると思って皆さんもご協力下さい》と困窮する飲食業界を助けるために「マスク会食」習慣の普及を呼びかけたが、この投稿には《早く消去してください!!》といった声が多く寄せられている。

 投稿された動画内では東議員自身が「マスク会食」について説明しながら、実際にお手本として弁当を食べながら実践する様子が映されている。しかしこのお手本が間違った「マスク会食」の方法であることから批判が殺到してしまっているのだ。

 東議員はマスクを外す際に、顔を覆っている前面部分をガッツリと触り、顎下にマスクをずらし、その手ではしを触るなどしてから食べ物を口にした。そして食べ物を口に運び終わると、再度マスクの表面を触り、定位置に戻すという所作をやって見せたのだ。

 正しい「マスク会食」として世間に広められている方法は、マスクの紐部分を耳から外し、片耳からマスクをぶら下げるようにして食事をし、会話をするときにはまた紐部分を持ってかけなおすという所作である。この正しい「マスク会食」の作法を東議員も心得てはいるようだが、とにもかくにも会話中に口元をマスクで覆う習慣を普及させたい一心からか、「現実的かな」「これ(正しい方法)をやるよりかはまだましかなと思いますので」として、マスクを外す手間を簡略化した“東議員流”の「マスク会食」を薦めた。

 マスクの表面はウイルスが付着している場合があり、触ってしまうと手指にウイルスが移ることで感染のリスクは高まる。些細な作法の違いではあるが、コロナ対策の観点では大きな違いだ。この投稿を見たユーザーからは《あかん事を拡散すな!》《悪いことは言わん。早く動画を削除せな間違った方法が広まるで!》《本気で言ってるとしたらやばい》《マスクの表面はめっちゃ汚いから飲食店もマスクを置く台紙を用意して衛生的に配慮しているのに…》《「マスク会食」の以前に、感染しない、させないためのマスクの正しい外し方すら知らないんですね》と、不衛生な作法に批判の声が相次ぐこととなった。

 飲食店を助けたいという想いからの行動は評価したいが、間違った対策方法の拡散は誰のためにもならない。一刻も早い訂正が求められている。
 
(浜野ふみ)

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