8月からスタートしたXのクリエイター広告収益分配プログラム。実業家のひろゆき氏がプログラムに参加して約36万円の収入があったことを明らかにし、「Twitterで呟いてるだけで暮らせる人が出てきそうですな」と投稿して話題にもなった。しかし、現実はそう甘くないようで…。
「11月14日、50万人以上のフォロワーを抱える人気漫画家のぬこー様ちゃんが、Xのクリエイター広告収益分配プログラムでの半月の収入が『ついに200ドル割った』ことを明らかにしました。インプレッション(コンテンツや広告の表示回数)自体は変わっていなかったそうです。ぬこー様ちゃんの月間インプレッション数は4億を超えます。にもかかわらずこの収益ですから、ぬこー様ちゃんは、『間違ってもこれ一本でたべていこうとしてはいけない』とも語っていましたね」(ITジャーナリスト)
ぬこー様ちゃんは期間別の収益も公開しており、8月5日~19日までが598.70ドル(約9万円)で、ピークは9月2日~16日の974.82ドル(約14万7000円)となり、その後は減少を続けて最新の10月28日~11月11日では173.44ドル(約2万6000円)まで落ち込んでいる。
では、なぜここまで収益が激減してしまったのか。
「原因の1つは、シンプルにX全体の広告収益が減少していることが挙げられます。9月5日にオーナーであるイーロン・マスク氏が『米国での広告収入が60%減少している』ことを明らかにしていて、10月5日にはこれを裏付けるようにロイター通信がマスク氏がTwitterを買収して以降、広告収入は少なくとも前年比で55%減っていると報じています。クリエイターへの分配が減ってしまうのも当然と考えられます」(前出・ジャーナリスト)
また、「インプレッション稼ぎのためのリプライ急増」も理由の1つだという。
「有名人の投稿などに意味不明な外国語や絵文字だけのリプライが大量に付けられているのを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。約770万人のフォロワーを持つ有吉弘行が『コメント欄は謎の外国人で荒れています』と投稿していましたが、あれは話題のコメントにリプライすることで自身のインプレッションを稼ぐためにやっているのです。botを使い自動でインプレッションを稼ぐ行為が横行するという自体も起きているのです」(前出・ジャーナリスト)
今のところ、Xに投稿するだけで暮らせる人は、ほんの一握りもいないのかもしれない。
(小林洋三)