阪神・矢野監督にさらなる重圧、85年戦士「野球殿堂入り」落選の影響とは?

 阪神・矢野燿大監督に「優勝」へのさらなるプレッシャーが加わった。

 野球殿堂博物館による「2021年野球殿堂入り通知式」が行われたのは、1月14日だった。川島勝司氏、佐山和夫氏の2人が新たに野球殿堂入りしたが、「エキスパート表彰」の部門で、ちょっとしたハプニングが起きていた。「今年こそ!」と期待されていた元阪神のランディ・バース氏が、惜しくも落選してしまった。

「当選必要数の101票にあと6票が足りませんでした。バース氏は過去にも他部門で候補に挙がりましたが、『あと一押し』が足りませんでした。今度こそと思ったんですが」(スポーツ紙記者)

 過去、殿堂入りした外国人選手は、ヴィクトル・スタルヒン氏、与那嶺要氏の2人。しかし、彼らは球団の渉外担当者が見つけてきた“助っ人”ではない。バース氏は1985年、カリスマ的な活躍でチームを優勝、日本一に導いた。阪神在籍は6季と短いが、2度の三冠王、シーズン打率3割8分9厘とインパクトの強さでは誰にも負けていない。阪神以外の野球ファンも「史上最強の助っ人」として認識している。

「04年にプレーヤー表彰の資格を失い、13年にエキスパート表彰の候補として復活しました。『そろそろ、選ばれても』の声も多く聞かれていました」(前出・スポーツ紙記者)

 同じく落選だが、同部門2位は掛布雅之氏だった。

「矢野阪神が優勝すれば、また風向きが変わってくるはず。阪神が大連敗したり、失策で12球団ワーストなんてだらしないから、OBの殿堂入り投票にも影響したのかもしれません」(球界関係者)

 矢野阪神が優勝すれば、85年のV戦士であるバース、掛布の両氏への注目も高まり、“殿堂入りの機運”も高まっていくはずだ。

「矢野監督に課せられた今季最大の難題は、ドライチの佐藤輝明選手の育成ですよ。今の打撃フォームでは通用しないという評価もありますが、二軍ではなく、一軍戦で使いながら育てなければならないスター候補です」(在阪記者)

 育成とチームの勝利を両立させるのは至難の業だ。バース、掛布両氏の得票率上位2名の落選が不吉な予兆と見られても仕方ないかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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