阪神・矢野監督の期待に応えるか?新外国人・ボーアの実力と“不安材料”

 阪神のキーマンでもある新外国人選手、ジャスティン・ボーアが2月15日、対外戦でデビュー。4番・DHでの出場だったが、2打席とも好機で凡退に終わった。矢野燿大監督は「良いポイントで捉えている」と前向きだったが、チーム関係者は額面通りには受け止めていなかった。

「どの球団の偵察スコアラーも『苦手コースがなさそう』と褒めてはいましたが、ウィリン・ロサリオを獲得した一昨年の今ごろも、そんな評価でした。他球団のスコアラーに大絶賛されて、結局はオープン戦終盤で潰されてしまった」(スポーツ紙記者)
 
 近年、阪神は外国人選手に泣かされ続けている。昨季も途中獲得したヤンガービス・ソラーテが2カ月も経たないうちに“戦意喪失”状態となり帰国し、「いったいどういう基準で選手を探してくるんだ!?」と、ファンを呆れ返らせた。

「阪神OBで駐米スカウトであるアンディ・シーツやジェフ・ウィリアムス両氏をキャンプ地に呼んだのは、外国人選手のサポートをしてもらうため。日本球界のこと、阪神というチームの特性などをアドバイスしてもらうためです」(前出・スポーツ紙記者)
 
 と、球団も“負の歴史”を断ち切ろうと工夫しているようだが、こんな指摘も聞かれる。

「獲得の方法そのものを見直すべきなんです。阪神は代理人による売り込みで『外国人選手の獲得候補リスト』を作成しているのですが、もちろん選手の代理人ですから、良いところしか言わないですよね」(球界関係者)

 実際、ボーアに関しては“左投手が苦手”という短所がある。マイナーの左投手はそこそこ打っているが、メジャーでは“右投手専門”として扱われてきた。

「メジャーでは左投手を克服できないため、レギュラーとして扱ってもらえなかった上に、昨季まで所属していたエンゼルスでは大谷翔平が本格的に復帰するため、完全にボーアが必要になくなったところで阪神に拾われた経緯があります。また、当初はバリバリのメジャーリーガーと紹介されていた、ボーアのような30歳を過ぎたビッグネームが“メジャー市場で安く買いたたかれるよりも日本球界のほうが儲かる”と考えるようになった米FA市場の実情を理解しての獲得だったかと言えば、今回も疑問が残ります」(前出・球界関係者)

 果たしてボーアは、そんな不安をよそに矢野監督をご機嫌にさせることができるか。

(スポーツライター・飯山満)

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