コロナ禍の影響もあって、テレワーク(リモートワーク)を導入する企業が激増しました。
その結果、社員が仕事を続けながら介護や子育てに関わりやすくなった一方で、私のようにフリーランスとして仕事や活動をしている立場としても、ずいぶん生きやすい世の中になったと思います。特に地方都市では、大の男が昼間から街をブラつくのは、ご近所の印象もよろしくありませんでしたからね(笑)。今では日中に公共の場でパソコン仕事をすることも一般的になってきました。今後も、ますます社会はテレワーク化に向かっていくことでしょう。
そこで今回、ご紹介するのが「テレワーク検定」。テレワークを行うにあたっての準備や心構えなど、幅広い知識やノウハウが学べます。このコロナ禍で急きょ新設されたように思う方がいるかもしれませんが、実は16年から実施されています。
それでは例題を見てみましょう。
〈問1〉厚生労働省のガイドラインによればテレワークは大きく3つに分類されます。在宅勤務、モバイル勤務、残るひとつは【1】ワーケーション勤務、【2】ローカル勤務、【3】リモート勤務、【4】サテライトオフィス勤務のうちどれ?
〈問2〉テレワーク中の労働者が勤務時間外に電話やメールでの対応を求められた際、これを拒否できる権利のことを一般的に何と言う? 【1】労働時間外自由の権利、【2】つながらない権利、【3】残業拒否の権利、【4】自己防衛の権利
例題の答えは〈問1〉が【4】、〈問2〉が【2】となっています。
試験はインターネットを利用したEラーニング形式で、章ごとに教材(PDFファイル)をダウンロードして重要なポイントを暗記。そのつど行われる確認テストと最終テストで及第点に達すれば合格となります。学習する時間も含めて最短で数時間ないし1日あれば合格できるでしょう。
この連載では、これまでにもテレワーク推進のメリットについて触れてきましたが、特に社内資料などの電子化は効果大。紙で出力するコストもバカにならず、大勢の社員が共有するのも手間がかかりましたが、クラウド化が進んだこともあって、それらが劇的に改善されました。
第一生命経済研究所が18年に発表した資料によると、東京に出勤する人口を約262万人と推定し、「通勤ロス」による機会損失を年間8.6兆円と試算。仮に10%の通勤者が週2日の在宅勤務に切り替えると、3500億円の経済効果が得られるとしています。
くしくもコロナ禍でよりいっそう推進された会社員の在宅勤務。対面ではなく、ビデオ会議や「Asana」といったツールによるコミュニケーションに戸惑いを覚える方も多いと思いますが、新しい働き方が普及した先には大きな経済成長が見込めるはず。そんな未来を思い描きながら、この検定でテレワークを基礎から学んでみては?
儲かる指数:71
鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は約700。