現金派は肩身が狭い!? ATM手数料“倍増”と通帳有料化に懸念の声

 銀行で頻繁に現金取引をするアナログ派にとっては肩身の狭い世の中になりそうだ。

 まずは紙の通帳。みずほ銀行は1月18日に、紙の通帳を発行する場合は条件つきで今後1100円(税込)の手数料がかかることになるとした。

「それと同時にデジタルの通帳いらずの『みずほe−口座』とオンライン通帳の『みすほダイレクト通帳』の利用を開始しています。つまり通帳のペーパーレス化を本格化させるということで、3大メガ銀行では初の移行になります。地銀では横浜銀行がすでに7日から同じ移行がなされていて、非地銀ではあおぞら銀行が2月から通帳の新規発行を止める予定です。ちょっと事情は違いますが、りそな銀行では早くも不稼働口座について年間1200円(税別)の維持手数料がかかるようになっています。デジタルでモノを介さない時代にあって、現金やペーパーの物理的なやり取りにはコストもそれなりにかかるので、顧客にも負担して頂くということです」(経済ジャーナリスト)

 だから当たり前のことながら、今まで通り口座を作ろうと思ったら1100円余計にかかることになるわけで、「時代だなあ」などと思っていると、今度はコンビニでのATMの利用も手数料が変わるのだとか。

 三菱UFJ銀行では、4月1日からローソン銀行での手数料を改定するとしている。それによると、平日8時45分~18時の間にATMでお金を引き出した場合、それまでは110円だった手数料が倍の220円かかるという。さらにそれ以外の時間帯だとなんと330円。

 逆に月末の給料日や振り込みなどでATMの利用が多くなる25日と月末日は時間帯によって無料になる。つまりは、柔軟に手数料を変えるということ。だが、平日にコンビニでお金を下ろしたら220〜330円もかかるというのはかなり厳しい。三井住友銀行でも4月から似たような改定がなされるとのことで、これも時代の流れということか。

 また、昨年には、三菱UFJは窓口で自治体の税金や保険料の支払いを受け付ける手数料を、これまでは1件につき無料もしくは数円だったところを、採算で選別して相手の自治体によっては数百円にまで引き上げるとした。その結果、今年4月1日からは多くの自治体では三菱UFJでの支払いは行えなくなることになった。口座振替であれば可能だが、一部の自治体ではこれも受け付けられなくなる。

「これまでの手数料は、数多くの支店があってそこには銀行職員がいて、それでもトータルで採算が取れたというベースがあって設定されたものですが、今後はそういった従来は当たり前だったサービスも全ては採算ベースで見直していくということです」(前出・ジャーナリスト)

 もちろん一番困るのは高齢者に代表されるデジタルが苦手な人たちだ。かと言って銀行もデジタル弱者に寄り添う経営では立ちいかなくなっていくのも事実。なんとか慣れるしかないようだ。

(猫間滋)

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