人気品種「紅はるか」が韓国に盗まれた!? ブランド農作物の流出が止まらない

 11月15日、日本で人気のサツマイモの品種「紅はるか」が韓国で無断栽培され、広く流通している実態が明らかになったと「日本農業新聞」が報じた。韓国の農業者らが日本の産地を視察した際に種芋を無断で持ち帰ったことが流出原因とみられ、ネット上では《韓国とは国交を断絶すべき》などと怒りの声があがっている。

「韓国で『紅はるか』は、公共機関『地方技術センター』が培養を実施し、『海南1号』として安価に苗を提供したことで爆発的に広まり、いまや“蜂蜜サツマイモ”という名で流通。その生産量は同国のサツマイモ栽培面積の4割に達するほどなのです。また、現地アイドルらがサツマイモダイエットにハマっていることも人気に拍車をかけました」(フリーライター)

 韓国が日本から盗んだと見られているのは「紅はるか」だけではない。韓国で最も栽培されているイチゴ「雪香(ソルヒャン)」は日本の品種「章姫」と「レッドパール」を掛け合わせて生まれたものなのだ。このうち「レッドパール」は韓国の農業研究者が日本の開発者に対してしつこく苗を譲るように懇願してきたそうで、何度も断ったものの、最後には断りきれずに条件を出して契約したのだが、その農業研究者が勝手に他の韓国人に苗を譲ってしまい、無断で栽培をはじめたのが「雪香」誕生につながったとの話もある。

「『雪香』は韓国で圧倒的なシェアを誇るだけでなく、積極的に海外にも輸出している。そのため結果的に日本のイチゴ品種が韓国に流出したことによって、5年間で最大220億円の損失が出たとの試算を農水省が発表しています。また、サツマイモやイチゴの他にも日本のマスカット、りんご、さくらんぼなどなど数多くの品種が韓国に流出しているのです。韓国は国をあげて日本品種を盗んでいるという専門家の意見もあります。しかし、国外に流出した品種の無断栽培を取り締まるのは難しく、現段階で韓国での生産を食い止める手立てはありません。種苗法改正案によって国外への持ち出しを規制する動きもありますが、可決するまではまだもう少し時間が掛かるとみられています」(経済ジャーナリスト)

 日本の農家が地道な努力で作り上げたブランド農作物が、このまま海外で無断栽培されて安価で流通しているとなれば商売あがったり。なんとか日本の知的財産を守れないものだろうか…。

(小林洋三)

※写真はイメージです

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