DeNA三浦新監督の初仕事は波乱の残留交渉!?「ロペスの穴を埋めるのは…」

 横浜DeNAベイスターズの公式戦日程は11月14日の巨人戦をもって全て終了した。ファンの関心は「新監督・三浦大輔」の就任に移っていたが、波乱の船出となりそうだ。

「投打の主力選手が国内FA権の行使をほのめかしています。外国人選手もどうなるかわかりません。セットアッパーのパットンは退団濃厚で、ソトも投げやりな口調で『まだ何も決まっていない』と話しており、残留交渉は荒れるかもしれません」(スポーツ紙記者)

 今季最終戦でもある先の巨人戦後、梶谷隆幸外野手、井納翔一投手の口から「残留」の二文字が聞けなかった。「慎重に判断したい」というビミョーな言い方だった。

「早くも、東京ヤクルトが『井納に興味あり』と発言しました」(前出・スポーツ紙記者)

 球界では、FA権を持つ大物選手に対し、他球団が「調査する」「興味あり」と発言した場合、「行使したら、ウチは交渉に行きます」と同じ意味合いを持つ。攻走守の3拍子が揃った梶谷が動くとなれば、強打の外野手を欲している巨人が放っておかないだろう。

「昨季まで2年連続本塁打王のソトが動くとなれば、マネー戦争に発展するのは必至。今年の推定年俸が1億8500万円なので、3億円が交渉のスタートラインとなりそう」(前出・スポーツ紙記者)

 その一方で、DeNAは広島・田中広輔内野手の名前を出し、「FA宣言したら行く」とコメントしている。田中は残留と見られているが、DeNAには二遊間を固定できなかった弱点がある。加えてまた、順調に行けば来季は三塁の宮崎敏郎が国内FA権を取得する。「有事に備えて」の雰囲気もありそうだが、こんな声も聞かれた。

「田中は地元神奈川の高校、大学を卒業しています。田中をショートかセカンドで固定し、守備難のソトを一塁に定着させ、内野の失策数を減らそうという戦略です。もともとロペスとは再契約しない方向で補強の話が進んでいたんです」(球界関係者)

 田中獲得案は、ソトの残留が大前提だ。オースティンの残留は決定したが、ロペスが抜けたことによって、内野の配置転換は避けられそうにない。

 二遊間を守れる内野手の補強案が出たということは、昨年のドラフト1位・森敬斗がまだ一軍レベルまで育っていないのだろう。二軍を預かっていた三浦新監督がシビアに判断したのかもしれない。梶谷、井納、ソトの動向が気になる。若手野手の伸び悩みに加え、クローザー・山崎康晃の復活も気がかりだ。新監督の初仕事は残留交渉となりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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