2005年からおよそ5年間、4シーズンにわたってスコットランドの名門セルティックに在籍していた元同国代表DFマーク・ウィルソンが、史上最高の“マイ・ベスト・イレブン“に日本人MFの名前を挙げている。
英紙「The Scottish Sun」の企画において、ウィルソンは共にプレーしたことのある選手の中から、セルティックの歴代ベストイレブンを選出。元ポーランド代表GKアルトゥール・ボルツやブルガリア代表の英雄スティリアン・ペトロフといった名手と共に、2005年から2009年まで同クラブで活躍した元日本代表MF中村俊輔を選ぶと、「ナカムラは私が共にプレーした中ではベストの選手さ。どんな高度なテクニックであっても、彼は簡単にやってのけたし、試合を読む力も凄まじいんだ。フリーキックのクオリティはナカムラがどんな選手かを表していたよね。まさに天才。とんでもないフットボーラーだったよ」とベタ褒めした。
加入初年度からスタメンとして定着し、数々のスーパーゴールとアシストでサポーターを虜にした中村との日々を回想。とりわけ、試合の一手二手先を読む戦術眼に長けていた点や、鮮やかな直接FKからのゴールを称賛し、正真正銘の“セルティック・レジェンド“として中村を見ているようだ。
「2002年に日韓W杯のメンバーから外れてしまった失意から立ち直り、同年夏にレッジーナに移籍し、イタリアのセリエAに参戦した中村でしたが、当時のイタリアリーグはまさに全盛期。屈強なハードマークやフィジカル交戦に苦しみ、なかなか思うようなパフォーマンスを見せることができなかった。そんな中村のキャリアを大きく変えたのがセルティックへの移籍でした。当時の指揮官ゴードン・ストラカンがクラブに獲得を直訴し、中村を寵愛したことでポジションは確約され、守備偏重の戦術だったイタリア時代とは大きく異なり、伸び伸びと攻撃サッカーに専念できる環境となったんです。そして極め付けは2006-2007シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)、グループステージ突破がかかった大一番マンチェスター・ユナイテッド戦の決勝FK弾でしょう。強豪クラブとの直接対決を中村の得点で1-0と制したセルティックは、この勝利でクラブ史上初のCL決勝トーナメント入りを達成。文字通り、中村はセルティックの歴史を動かしたプレーヤーとなりました」(スポーツライター)
無論、当時のチームメイトだったウィルソンにとっても中村のインパクトは相当なものだっただろう。日本のサポーターからも今回のベストイレブン選出には「クラブのスタジアムの壁画になるくらいだからね」「中村がベスト11に入らない理由がないだろう」などと、もはや“選ばれて当然“といった反応が出ている。
だが、なによりも驚くべきは、“レジェンドプレーヤー“として崇拝される中村が今もなお現役選手としてピッチに立ち続けているという点かもしれないが……。
(木村慎吾)