新型肺炎の煽りで「老舗旅館」廃業判明に“二度”驚きの声が上がった理由

 2月25日、新型コロナウイルスの感染拡大による中国人団体客のキャンセルが相次いだことで、愛知県蒲郡市の老舗旅館「冨士見荘」が今月中旬に廃業していたことが分かった。新型コロナウイルスの影響による倒産は全国初で、ネット上では議論を呼んでいる。

「東京商工リサーチによれば、三河湾を望む景観と新鮮な魚介類を売りに1956年に創業した冨士見荘は、2013年には不渡りを出すなど業績不振に陥ったことから、近年は中国人のツアー客をメインに毎月40〜50の団体を受け入れていたそうです。しかし、今年1月に中国で急拡大した新型コロナウイルスの影響で団体客のキャンセルが相次いだことから、先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念したといいます」(社会部記者)

 これにネット上では《ついに新型コロナ破綻がはじまったか》《言ってもキャンセルが相次いだのは2カ月弱でしょ。それに耐えられないのは元々経営がギリギリだったわけで、コロナだけが原因ではない》《不運だと思うけど、中国人客任せだとリスクは高いよね》《国内でも自粛ムードが高まっているし、宿泊や観光、飲食では厳しいところも多いだろうね》など様々な意見が見られた。

「訪日外国人の増加とともに、15年頃からインバウンド向け専門の宿泊施設が急増しました。特に経営の厳しかった旅館やホテルは、団体で訪れる中国人観光客に焦点を絞って受け入れを表明するところも少なくなかったのです。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大により廃業を余儀なくされるところはこれからさらに増えてくると考えられます」(経済専門家)

 どこまで影響が広がるのか。

(小林洋三)

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