「和民」新型肺炎による中国撤退は“いい機会”だった!?

 大手居酒屋チェーン「和民」を展開するワタミは1月5日、新型肺炎が感染拡大している影響から中国本土に展開する「和民」の直営店全店を撤退すると発表し、ネット上には素早い対応を支持する声が多く見られた。
 
「『和民』は上海、深セン、蘇州、広州に計7店舗を展開していますが、新型肺炎の影響によって、前年同期よりも売上が約90%も落ち込んでいるといい、今後も『店舗休業や客数の大幅な減少が長期化する見通しとなったことを受けて苦渋の決断に至りました』と全面撤退することを明らかにしました」(社会部記者)

 これにネット上では、《今、中国でビジネスする旨みはない。リスクを考えれば撤退は妥当》《中国当局が新型肺炎拡大の正確な数字を出さないし、今後も感染者は増え続ける可能性があるからね》《新型肺炎だけが撤退の理由ではないと思うが、ある意味ではいい機会だったのではないか》などの意見が見られる。
 
「『和民』は05年に深センへ出店し中国本土への展開をはじめ、最大で42店を展開していました。しかし、売上の不振によって赤字を計上し、19年にも12店舗を撤退させるなど苦しい状況にあったのです。また、ワタミは将来的に中国で和牛の焼き肉店を展開することを検討していますから、不採算の居酒屋をたたむには、ちょうど良いタイミングだったのかもしれません」(経済ジャーナリスト)

 経営だけでなく従業員のリスクも考えれば、撤退は正しい判断なのかもしれない。

(小林洋三)

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