「新型肺炎」拡大で「白い恋人」1カ月間製造停止のショックと“懸念”

 2月20日、石屋製菓(本社=札幌市)が、看板商品である「白い恋人」の製造を同日から3月15日までと3月23日から27日の約1カ月間、停止させることを明らかにし、懸念する声が広がっている。

「原因について同社は、新型コロナウイルスによる外国人観光客の減少によって大幅な売上減が見込まれるためとしており、札幌市西区の『白い恋人パーク』と北広島市の工場の製造ラインを停止するとのことです。『白い恋人』は2つの工場で1日140万枚が製造されていますが、約1カ月停止しても『販売には影響がない』とも説明していますが、それだけ在庫が残り、外国人観光客の減少が売上に影響を与えているとも言えます」(経済ジャーナリスト)

「白い恋人」が製造停止を決断した背景には、中国の団体旅行全面禁止があると見られている。中国では同商品が最も有名で人気の高い日本土産となっており、国内では「西湖恋人」などというパクり商品が出回るほど。団体客が北海道旅行をする際には「白い恋人パーク」を訪れるのが定番となっているという。

「北海道はただでさえ中国人観光客の人気観光地となっているため、団体旅行全面禁止は『白い恋人』以外にも大きな打撃を与えています。今年の『さっぽろ雪まつり』に訪れた人はおよそ202万で、過去最高の来場者数を記録した昨年よりも71万人以上少なかったことも明らかになっている。北海道では、中国人観光客の減少が3月まで続けば観光消費が200億円以上減るとの試算を公表しています」(社会部記者)

 なんとか今は持ちこたえて欲しいものだ。

(小林洋三)

ビジネス