自動車レースの最高峰「F1」の中国GPが延期されることが発表された。中国GPは4月17日から19日に上海市の上海インターナショナルサーキットで開催される予定だったが、延期して後日の開催を目指すという。「電気自動車のF1」と言われる「フォーミュラE」も、3月21日に中国海南省の三亜市で行う予定だったレースを中止することをすでに発表している。
「F1が延期ということで、新型コロナウイルスの深刻度が改めて明らかになりました。各国のレース主催者はF1サイドに多額のお金を払っており、莫大な金額が動いています。また、現在F1にはメルセデスやフェラーリ、ルノー、ホンダ、アルファロメオ、アストン・マーチンと多くの自動車メーカーが関わっている。これは自社の自動車のPRのためという側面が大きく、中国市場は重要なマーケットであり、最も大切なレースが中国GPと言えるでしょう。それだけに開催延期はよほどのことがない限りありえません。今回は、そのよほどのことが起きたということです」(モータージャーナリスト)
F1はあくまで開催“延期”だと主張しているが、実際、延期することは難しい。今年からレースの数が1つ増えて全22戦で行われるが、2週連続でレースが開催されるのが7回もあるという過密日程。9月27日に開催されるロシアGPと中国GPを入れ替えるという案が持ち上がったが、これはロシア側が拒否したと報じられている。
最終戦のアブダビGPの開催を伸ばし、そこに中国GPを入れるという案も出ているようだ。いずれにしても延期は問題が山積みで、実質的な中止という見方もある。
ここで気になるのが、東京五輪だ。大会組織委員会の森喜朗会長は2月13日、記者団に対して東京大会の中止や延期は検討されていないと話した。その言葉を信じれば、延期や中止はなさそうだが…。
「新型コロナウイルスの感染者が一番多いのは中国ですが、その次は日本(クルーズ船の乗員・乗客含む)。もし日本が封じ込めに失敗し、この1カ月間で感染者が爆発的に増えれば、東京五輪に影響を与えることになるでしょう」(週刊誌記者)
東京五輪がどうなるのか。今はただ新型コロナウイルスの状況を見守るしかなさそうだ。