新型肺炎の集団感染により、いまだ横浜港に停泊を続け、乗客乗員約3600人が船内にとどまっている大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」。こうした事態を受け、現在、クルーズ船の予約キャンセルが殺到しているという。
「国土交通省の発表によれば、2月は外国籍のクルーズ船の寄港が123回予定されていたものの、現在キャンセルが相次いでおり、2月日時点では75回とおよそ4割減少しているといいます」(社会部記者)
日本のクルーズ人口は16年には24万8100人、17年には31万5300人、18年には32万1100人と3年連続で過去最多を更新するなど、空前のクルーズブームが到来していたが、そうした好景気に完全に水を差した状態となっており、「このままブームが終わってしまうのではないか」(旅行代理店関係者)と心配する声も多く聞こえてくる。
「クルーズ旅行の魅力といえば、ゆったり、安心・安全にリッチな旅ができるところにあります。しかし今回、一人でも感染者が出た場合は隔離状態にされる危険性があることをテレビなどで目の当たりにし、旅行を回避する人が出てくるのは当然の話。今回のウイルス感染について、地球温暖化が生物を弱体化させ、それが爆発的に拡大させた要因の一つと指摘する専門家もおり、そうなると今後、同じような事態が増える可能性も考えられる。慣れない日本は、対応策を練り直すべきでしょうね」(旅行誌ライター)
ひとまず、「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員が一刻も早くストレスから解放されることを願いたい。
(小林洋三)