相次ぐ事故やトラブル報告で社会問題になった“あおり運転”。12月6日、警察庁はあおり運転をしたドライバーに対し、道交法改正によって事故がなくても即座に免許取り消し処分とする方針を固めたが、さらなる厳罰化を求める声が相次いでいる。
「“あおり運転罪”が存在しない現在、主に適用されるのは車間距離保持義務違反というもので、高速道路の場合でも3月以下の懲役または5万円以下の罰金で済み、違反点数も2点にとどまっていました。しかし、一昨年に東名高速で起きた夫婦死亡事故などのような重大事故に繋がるケースも多く、道交法の改正が急務となっていたのです」(社会部記者)
警察庁は、今年10月にあおり運転について全国のドライバー約2600人を対象にアンケート調査を実施しており、7割超が「罰則を強化すべき」の回答だったという。また、12月6日に自民党が開いた交通安全対策特別委員会では、“免許の永久剥奪”についても議論されたというが、警察庁は「永久剥奪ではかえって無免許運転が増える」と、免許の取り消し処分で進める方針であることを明らかにしていた。
しかし、こうした動きにネット上では、《甘い。あおり運転するような人は免許取り消しぐらいではやめないと思う》《免許取り消しなら罰金を増やすべき》など、厳罰を求める意見が相次いでいる。
「6日時点の警察庁の意向では免許取り消しの方針が分かっただけで、罰金については明らかになっていません。ただ、07年に道交法が改正され、酒酔い運転に対しての罰金が50万円以下から100万円以下に引き上げられると、00年のピーク時に2万6280件あった飲酒運転事故件数が、17年には3582件にまで減少しています。懲役も3年以下から5年以下に延ばされてはいますが、やはり多額の罰金を課すというのは効果があると見られることから、改正が注目されます」(クルマ雑誌ライター)
厳罰に頼らなければならない現実は情けないばかりだが。
(小林洋三)