あおり運転に投石、暴言も…「県外ナンバー」無差別攻撃の恐るべき加害者心理

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、他県への移動を自粛するよう各県が要請をしているが、全国各地で県外ナンバーの車に対してあおり運転や投石、傷つけなどが頻発し、行き過ぎた行為に批判が殺到している。

「特に、4月30日現在で感染者数が5人と岩手、鳥取に次いで3番目に少ない徳島県では、県外ナンバーの車の実態調査の実施を明らかにすると、県外ナンバーの使用者から『何度も後続車に煽られた』『暴言をはかれた』といった報告が相次ぐようになりました。徳島市の内藤佐和子市長は『徳島に住んでいても県外ナンバーをつけている例もある』と注意を促していますが、それでも差別行為は続いているといいます」(社会部記者)

 県外ナンバーを見るや、無差別攻撃を仕掛けてくるというから恐ろしい。被害が続出する徳島県では、県外ナンバーのドライバーが、自己防衛の目的で使用する「徳島県内在住者です」と明記されたステッカーが販売されているほどだ。

 また、静岡県伊東市内の温泉施設でも、複数の県外ナンバー車が傷つけられる事件が発生。伊東警察署によると、車のドアなどに鋭利なものでひっかいたような傷がつけられており、嫌がらせ目的の犯行の可能性もあると見て調べているという。

「県外ナンバーに対する嫌がらせは全国各地で続発しており、ネット上では《同じ日本人として恥ずかしい。自分が差別を受けたらどうするつもりか》《やりすぎ。自分が正義の味方にでもなっているつもり?》など批判が殺到しています。こうした行為の原因の一つには、自粛へのストレスが挙げられる。『自分は我慢して外出しないようにしているのに、県外まで来て遊び歩いているやつは許せない』といった感情なのでしょうが、あまりに短絡的で呆れるばかりです」(ITジャーナリスト)

 4月30日時点で感染者数(累計)は東京都で4106人、大阪府で1597人に達した。避けられない事情で県外に出かける際には注意が必要だ。

 様々な面でいま、日本人の民度が問われている。

(小林洋三)

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