新庄監督が火をつけた「上沢問題」で選手会のクレームに耳が痛いNPB

 日本プロ野球選手会が日本野球機構(NPB)と事務折衝を行い(2月20日)、同選手会の森忠仁事務局長は「影響ある人の発言によって、いろんなことが拡散されて誹謗中傷に繋がっている」と、昨オフ、ポスティングを利用してメジャー挑戦をしたのちにソフトバンクに移籍した上沢直之投手の件についてNPBに対策を要望した。

 森事務局長の「影響ある人」は、日本ハムの新庄剛志監督を指す。上沢について「2年間(22、23年)、彼と一緒にやって、ああいう決断を彼がして。ちょっと育て方が違ったのかな」などとストレートな思いを吐露していた。

「日ハムよりソフトバンクの方が破格の条件でしたからね。その金額は4年総額10億円規模と言われ、日ハムではとても出せない金額です。ただ、現制度上では何ら問題ない。それでもこうした形での日本球界への復帰を面白くないと感じたファンも多かった。それに新庄監督が火をつけた格好ですね」(日本ハム担当記者)

 そこで選手会が「上沢を守れ!」とばかりに新庄発言を放置したNPBに物申したわけだが…。

「上沢のメジャー挑戦の渡米では新庄監督を筆頭にフロントも全面支援。現地の通訳など日ハムがアテンドし、帰国後は日ハムの施設で練習していましたからね。こうした状況を多くのファンは知っているだけに、落胆の声が出るのは仕方のないところ。もちろん誹謗中傷となれば言語道断ですが、ポスティング制度に不備があるのは明らかで、NPBにとって実に耳の痛い話です」(前出・記者)

 新庄監督は上沢との今季の対戦について「とにかくウチは負けない」「打ち崩す」と語っており、遺恨マッチの様相にもなっている。それにより試合が盛り上がるだけならいいが、問題は根深い。

(小田龍司)

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