ロッテ・佐々木朗希が5月10日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)で、プロ最多となる123球を投げらながら5回2/3を8安打5失点と大炎上してしまった。本人も「思うように投げられなかった」と語ったが、その後、ロッカーに戻る際に、ベンチの備品を思いっきり蹴り上げる場面が映像に流されてしまい、「ワガママ朗希」の声まで上がるなど、散々な日だった。
「この日は中9日(4月30日の対オリックス戦以来)の登板でした。登板数や投球数を少なくさせる省エネ起用については、佐々木と球団には、大リーグ移籍に向けて故障をさせないための『密約』があるのでは、などと囁かれるほどです」(ロッテ担当記者)
今回の登板では、佐々木のウイークポイントも露呈してしまった。日本ハム・新庄剛志監督は、対佐々木戦略としてボールの見極めと要所での盗塁を指示したとされ、試合中に決まった3盗塁について、笑顔を見せながら「それは口チャック!」と上機嫌だった。
「確かに、今季のパリーグ各球団の佐々木攻略法は『160キロの速球は捨てて変化球狙い』で一致していますね。とにかくボールを見極めて球数を増やし、佐々木のスタミナ切れを待つのが基本です」(前出・記者)
実は、今季の佐々木は、これまでストレートとフォークしかない球種に新たなスライダーを加えたのだが…。
「スライダーはWBCの際にダルビッシュに教えてもらったんです。これが決まるようになれば、変化球狙いをされても打ち取れるようになるはずです」(前出・記者)
初登板の球場では極端に弱い、というのも佐々木の難点だ。昨季は西武の本拠地ベローナドームでの初登板では悲惨な出来だった。この日もエスコンフィールドは初見参だったのである。
試合にはMLB7球団から計12人のスカウトが視察していたが、「合格点」はもらえなかっただろう。もろもろの弱点の克服が、佐々木の喫緊の課題だ。
(小田龍司)