いち早く新庄批判を展開していたのが、高木豊氏(63)だった。
自身のYouTube「BASEBALL CHANNEL」で昨年、新庄監督がNPB復帰を目指して、トライアウトに挑戦したことに対して、
「新たな試みでいいかもしれないけど、50歳って初老だよね。(中略)応援はしたいけど、本当に真剣にやるのかな」
と疑問を呈する。これに対して新庄監督は自身のインスタグラムで、
「僕の事に対して何言っても構わない 俺と一緒に挑戦し初めてくれてる人達の気持ちを冷ますような発言だけは悲しくなるのでして欲しくないです(原文ママ)」
と珍しく反論。大御所に真っ向から、苦言の矢を放ったのだった。
一方、アンチ新庄だった古田敦也氏(56)は、新庄フィーバーについて、現役時代の曲者ぶりを挙げて、
「どんなボールを狙っているのか、わからない。現役時代も収集したデータが一切通用しなかった。何を考えているかわからないだけに会いたくない。何を考えているかわからないヤツと野球をやるのはいやだ」
と遠回しな発言に終始。その裏には深謀遠慮が見え隠れしている。古参の野球担当記者が明かす。
「元々、古田氏は『野村克也監督の一番弟子』という自負がある。ところが野村監督が鬼籍に入ると、新庄監督がことあるごとに、『野村監督とは本当は親しくて、仲の悪い設定だった』と秘話を明かしたが、それに対して猛烈な不快感があるんです。阪神時代、野村監督を胴上げできなかったのに、ノムさんのことを師匠みたいに語る新庄に根強い不信感を抱いている。今は様子見で、成績が振るわなければ、すぐに批判の急先鋒になるでしょう」
さらに、新庄監督誕生で梯子を外されてしまったのが、小笠原道大前日本ハムヘッドコーチ(48)だ。
「19年オフに中日の2軍監督から古巣の日本ハムに復帰したものの、20年、今季ともに5位。チーム打率が12球団ワーストに沈んだこともあり、栗山前監督とともに事実上のクビとなってしまった。次期監督とみられながらその座を手にできなかったわけだが、チーム作りを主導してきたGM職が吉村浩氏から稲葉篤紀氏に変更される中で、新庄監督が抜擢された経緯に強く不満を感じているんです」(スポーツ紙記者)
それだけではない。両者の不仲ぶりは、現役時代からの浅からぬ因縁も関係しているという。
「現役時代から2人の仲は、傍目から見ても微妙でした。2人ともチームの中心選手でしたが、小笠原氏は『黙して語らず』のタイプで、新庄監督とはキャラが正反対。雑談をするだけの割り切った関係性で、お互いに嫌いなタイプとして距離を置いていました。ただ、新球場の開業を控えていることも踏まえると、興行面では新庄監督で正解でしょう」(古参記者)
日本ハムを退団した小笠原氏は新天地に巨人の2軍打撃コーチを選んだ。同じく日本ハムを追い出された中田翔とのコンビで古巣にリベンジを果たせるか。賛否両論ある個性派監督だけに、ビッグボスのアンチ包囲網は水面下で今も勢力を拡大中のようだ。
*「週刊アサヒ芸能」12月9日号より