今やすっかり季節の風物詩になった「恵方巻き」。最近はスーパーやコンビニだけでなく、大手チェーン店でも様々な恵方巻きを販売している。
例年は2月3日が節分になるが、今年は暦のずれの関係で、3日ではなく2日になる。この日は日曜日になるため、恵方巻き商戦にもこれまでとは違う変化があるという。
恵方巻きのルーツは江戸時代といわれているが、全国区になったのは、コンビニが全国展開したことがきっかけ。もっとも近年はフードロス問題や、消費者の飽きもあり、以前ほどの盛り上がりは見られない。また、一部のコンビニでは、例年は企業や学校からの予約注文が多いため、今年は節分が休日にあたることから、予定の販売数をこなせない店が出てくると予想されている。
さらに売上げ減少に追い打ちをかけそうなのが昨今の物価高と、記録的不作でのり価格が高騰したことによる「値上げ」だ。
リサーチ会社の調べによると、今年の恵方巻きの平均価格は1000円を突破。あらゆる具材の価格が高騰しているとはいえ、3年前には800円ほどで買えたのだから、割高感は否めない。また、販売店も縁起物ゆえ、むやみに安い具材に変更することもできず、値上げに踏み切るしかないのが現状だ。恵方に向いて食べると縁起が良いと言われているが、1000円を超えるなら、いっそにぎり寿司を食べたいという人も多いのではないだろうか。
東京の東武百貨店池袋本店では、のりで全体を包み込み、中身がわからないという「ミステリー恵方巻」を販売するなど、あの手この手で消費者の関心を買おうとしているが、3980円という価格に予約を断念した人もいたのではないか。
消費者の関心が薄れれば、近い将来「そういえば恵方巻きってあったなぁ…」なんてことになっているかもしれない。
(ケン高田)