恵方巻は氷山の一角!「食品ロス削減法」が成立しても廃棄がなくならない理由

 5月24日、「食品ロス削減推進法」が参院本会議で全会一致により可決・成立し、政府は2030年度までに一人あたりの食品廃棄量を00年度比で半減させる目標を掲げているが、果たしてそう上手くいくものなのか。

「節分の恵方巻きや土用の丑の日のうなぎの蒲焼、クリスマスのケーキなど、特にシーズンものの食品においては、まだ食べられる状態のものが大量に売れ残り、そのまま廃棄されることが社会問題となっています。農水省によれば、16年度に廃棄された食品の量は約2759万トンで、そのうち“食品ロス”は約643万トンもあったといいます」(社会部記者)

 今回の法案成立前から、すでにコンビニ各社は、消費期限の近づいた弁当やおにぎりの購入者にポイント還元という形で値引きするなど方針を打ち出している。

「そうした事業者側の地道な努力が必要であることは間違いありません。ただし、この法案は強化月間を作るなどして、主に各自治体を通じ消費者や事業者に食品ロス削減を啓発するもので、なんら強制力はない。そのため劇的に食品ロスが減るとは考えにくく、11年で半減は無謀な目標とも言われています。しかし、何らかのペナルティを与えれば関係業界から猛反発が出ることが必至な上、新たに不法投棄の問題も起こりかねない。難しいところですね」(食品ジャーナリスト)

 法案自体が廃棄となりかねない?

(小林洋三)

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