海苔の半世紀ぶり大凶作で改めて悔やまれる恵方巻きの廃棄問題

「間もなく海苔の収穫時期が終わろうとしていますが、今年は62億〜63億枚の生産に留まる見込みで、これは1972年の61億枚に匹敵する実に47年ぶりの低水準となります。日本人が年間に消費する海苔の量は約80億枚のため、価格が高騰することが予想されています」(漁業関係者)

 半世紀ぶりに大凶作となった原因は、いくつかある。最大の理由とされているのが、暖冬による水温の上昇と栄養塩不足。加えて、1月に仙台港で起きたコンテナ貨物船の重油流出事故により、全国5位の産地である宮城県に被害が出てしまったこと。さらに、雨不足で川から十分な栄養が届かなかったことなどがある。

 今後は不足した海苔を韓国などから輸入して対応する計画もあるというが、韓国産海苔は規制の緩さから発がん性物質を含む可能性が専門家らによって指摘されており、大量流入となると不安だ。

「国はそうした韓国産海苔の輸入を段階的に増やしている真っ最中のため、凶作は何とも皮肉な話です。さらに、これを受け蒸し返すようにネット上で注目されているのが恵方巻きで、《恵方巻きをやめていれば海苔も足りたのでは?》と、今年も問題となった大量廃棄問題を取り上げる声が多く上がっていました」(夕刊紙記者)

 果たして、この機運が来年の2月までもつのか。いずれにせよ、今回の国産海苔の凶作と高騰は、改めて食品ロスについて考えさせられるきっかけになるかもしれない。

(小林洋三)

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