現在、寺社仏閣で貰える「御朱印」を真似したサービスは数多くあるが、鉄道各社でも実施しており、収集欲をかき立てるアイテムとして人気を集めている。
なかでも人気なのが第三セクター鉄道等協議会と旅行読売出版社の共同事業として20年7月から始まった「鉄印」。全国40社の第三セクター鉄道の対象駅で販売しているが、専用の鉄印帳にコンプリートした人にはさまざまな特典を用意している。記者も約3年かかったが、仕事の合間を縫って各地の三セク鉄道に乗車した。
ちなみに公式サイトでは各特典を紹介しており、現在用意しているのは加盟40社中20社（※25年5月末時点）。ただし、特典を受けるためには、まず鉄印帳を旅行読売出版社内の事務局（鉄印帳係）に郵送する必要がある。
鉄印帳は後日返還され、達成者の証であるマイスターカード、会津鉄道（福島県）の観光列車「お座トロ展望列車」のペア往復乗車券も同封されている。こちらは7280円相当のペア往復券だが、片道4人分として使うことも可能。記者は紅葉の時期に乗ったが、利用期限もカード発行日から1年間と長いので使い勝手もいい。
他にもあいの風とやま鉄道（富山県）や松浦鉄道（長崎県・佐賀県）では、専用の受付場所でカードを提示すると1名分の1日フリー乗車券を貰える。さらに天竜浜名湖鉄道（静岡県）では「ガイドと歩いて行く！転車台＆鉄道歴史観見学ツアー」に無料参加でき、北越急行（新潟県）は制服姿での記念撮影、これ以外の各社でもグッズのプレゼントなどの特典を用意している。
特典によっては事前予約が必要だが、各種集印サービスの中でも特典がここまで多いのも珍しい。1回目は鉄印をゲットするために、そして2回目はコンプリート後の特典を貰うために再訪することで二度楽しめる。
コアな鉄道ファンでなくても満足できるようになっており、複数回の訪問機会を作るので三セク鉄道各社にとってもプラス。思った以上にスゴいサービスなのかもしれない。
（高島昌俊）
※画像は、鉄印帳マイスターの特典で乗車できる会津鉄道の「お座トロ展望列車」
