遅すぎる?農水省の「恵方巻ロス」改善要請に効果はあるのか

 農水省は2月の節分に食べる「恵方巻き」商戦が活発になるのを前に、需要に見合った販売をするよう小売りの業界団体に文書で要請を行っている。毎年、大量廃棄が問題となっていた“恵方巻きロス”に苦言を呈した形だが、この発表に喜んだのはスーパーなどの従業員やアルバイトたちのようだ。
 
 恵方巻きのシーズンになると大量廃棄と共に取り沙汰されるのが、従業員やアルバイトへの”販売ノルマ問題”。店本部から無茶ともいえる量の販売を指示され、店は従業員やアルバイトに販売本数をノルマ化し、達成できなければ自腹で買い取るよう強要する事態が多発していたのだ。
 
「この時期になると、バイトも従業員も憂鬱になります。いきなりノルマ15本とか平気で言われますからね。高校生のバイトの中にはツイッターで買ってくれる人を募集する子もいますよ」(スーパー店員)

 今回の農水省の要請に、ネットでは《奇妙な風習での食品廃棄が少なくなることはいいことだ》など賛同の声があがっているのだが、一方で《なぜ1月に要請したのか。すでに生産ラインは決まっていただろうし、このタイミングだと下請けが泣くことになりそう》と、その遅さを指摘する声もあった。
 
 2000年以降、日本全土に急速に広まった恵方巻きだが、実はその起源など詳しいことは分かっておらず、“トンデモ風習”と揶揄されることもある。今回の動きは少しでも効果が出るのか、はたまた、結局どこかにしわ寄せがいくことになるのか。

ビジネス