今、東京から新大阪まで新幹線を利用すると、自由席で1万3870円、指定席ならプラス850円の1万4720円、そして、グリーン席ともなると5720円も高くなって、片道で1万9590円。
東京―京都は自由席1万3320円、指定席1万4170円、グリーン席1万9040円。東京―名古屋は自由席1万560円、指定席1万1300円、グリーン席1万4960円だ(ここに出てくるすべての料金は、時期によって変わることもあります)。
新幹線代を安くする方法として、数年前までは回数券のバラ売りを金券ショップで扱っていた。多くの人が利用していたが、今は主要駅間の回数券が廃止されて取り扱っていないため、みんないろんな工夫をしている。
以前から知られているのが新幹線のこだま号を利用する格安チケット「ぷらっとこだま」。東京―名古屋が8810円、京都までは1万790円、新大阪までだと1万1210円で、駅の売店で飲み物と交換できるクーポンもついている。缶ビールも可能だ。
新幹線ののぞみ号だと東京―新大阪は2時間30分以内。東京―名古屋は1時間40分ほど。これがこだま号では東京―名古屋でも2時間40分、東京―新大阪は約4時間となる。この「ぷらっとこだま」は駅の窓口では買えない。JR東海ツアーズが発売する旅行商品だからだ。
ちなみに、新大阪より以西の山陽新幹線などの区間でも「行こっか!こだま」という商品があり、新幹線代と300円のお土産商品券がセットで売られている。新大阪―博多でのぞみ号の指定席は1万6020円だが、こだま号だと1万1560円となる。
「何だよ佐藤、俺たちサラリーマンや急ぎの旅には使えねえ情報だな」と言われる方、お待たせしました。
今回紹介したいのは「#ずらし旅」という商品だ。これは、新型コロナで落ち込んだ旅行客を呼び戻すため、2020年頃から始まった様々な販促きっぷから始まったもので、早朝8時30分頃までの出発と、夕刻以降出発の比較的混んでいない時間を利用するもの。のぞみ号やひかり号も利用できるところがうれしい。
宿泊だけでなく日帰りも可能で、料金は月曜から木曜までが比較的安い。金額は旅先で選べる旅行クーポン付きで、片道分だと東京― 新大阪で1万1530円、東京―京都で1万1090円、東京―名古屋は9240円、東京―静岡なら5670円だ。
1泊2日、東京や京都、大阪など、2万4500円で一流ホテルの宿泊代も入ったプラン(1室2名利用の場合)もあり、旅行クーポンもなかなかいい。
例えば名古屋であれば、名古屋城をはじめとする有料観光地の入場券セットは3000円ほどの価値がある。1800円程度のみそかつ定食、きしめんといった具合だ。出張で日帰り利用なら現地での食事に使えるし、宿泊して旅をするのなら、観光地で使えばいい。「#ずらし旅」はJTBなどの大手旅行代理店でも扱っている。
そして「ぷらっとこだま」や「#ずらし旅」を利用する時に考えたいのが、グリーン車を使うこと。もちろん、その分だけ高くなるが、通常と比べると破格の価格なのだ。
例えば「ぷらっとこだま」ならば、東京―名古屋はプラス910円の9720円だし、東京―新大阪も1260円高くなるだけ。「#ずらし旅」は旅行代理店によって扱う商品が変わり、料金も日付により変動するので、興味があったら一度調べておくことをオススメする。
佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。8月5日に新刊「新NISA 次に買うべき12銘柄といつ売るべきかを教えます!」(扶桑社)発売。