元中日で現在は独立リーグ「信濃グランセローズ」所属の滝野要が「人食いバクテリア」に感染していたことを明かし、ファンを心配させている。
滝野は5月24日、SNSに「緊急入院、手術になりました」と投稿し、長野県内の病院で手術を受けていたことを報告。27日になって自身のYouTubeチャンネルを更新すると「その後の検査で、人食いバクテリアに感染してました」と明かした。さらに致死率が約30%であるとし、「たまたま運良くこうやって生きてますけど、もうちょっと遅かったらね。もう本当にどうなっていたか」と人食いバクテリアの恐怖を淡々と語った。
人食いバクテリアの正式名称は「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」といい、傷口や鼻、喉の粘膜から感染する。通常は菌のいない筋肉や血液に侵入して発症すると、手足の壊死を引き起こして死に至ることもある。2017年に西武ライオンズの森慎二投手コーチが突然亡くなったのも人食いバクテリアへの感染が原因だった。国内ではこれまで毎年200~300人の患者が確認されていたが、近年は右肩上がりの増加を見せており、昨年は941人で過去最多を記録。さらに今年は過去最多だった昨年の3倍の勢いで増えているという。
「溶血性連鎖球菌の感染経路は飛沫感染や接触感染で、他人との接触の多いスポーツ選手は常に危機にさらされているといってもいい。滝野選手の場合はケガをした中指の傷口から感染したようですが、いまだ予断を許さず最悪の場合、指の切断の可能性があると明かしています。野球選手でも軽い切り傷などはテーピングで保護してそのまま試合に出場するケースは多いですが、そのテーピングや絆創膏を剥がすときに感染する恐れもありますので、きちんと手洗いしてから処置をすべきです」(医療系ライター)
人食いバクテリアはいつ誰が感染してもおかしくない。痛みが出たら打撲と軽視することなく、すぐに医療機関を受診することが肝心だ。
(ケン高田)