宅急便の不在通知を装って…巧妙すぎる「企業偽装詐欺」の見分け方

 著名人を騙る投資詐欺の被害が拡大する中、大手企業になりすました「フィッシング詐欺」が猛威を振るっている。

「お荷物お届け時ご不在のお知らせ」といったタイトルのメールが自分の携帯に届いたという人はいないだろうか。メールはクロネコで知られるヤマト運輸を装っており、「お届けに参りましたが、ご不在だったので持ち帰りました」と、送り状番号や配達状況などが記載されている。

 ところが本文中の「再配達を依頼する」をクリックすると、なぜか名前、電話番号の他に「クレジットカード番号」の入力が求められるのだ。もちろん本物のヤマト運輸がクレジットカード番号の入力を求めることなどあり得ず、多くの人はここで「フィッシング詐欺ではないか」とピンとくるハズだ。

 しかし、ヤマト運輸のロゴマークや、本物さながらのリアルなデザインと文面を見て騙されてしまう人も少なくなく、クレジットカードの不正利用が発覚して初めて被害にあったことに気付くケースが相次いでいる。

「特に高齢者はヤマト運輸とそっくりの不在通知に、すっかり騙されてしまい、クレジットカード番号を入力してしまう場合が多い。届け物はいつ誰にあってもおかしくないだけに、ニセモノか本物か判断しかねる場合は、まず企業の問い合わせ窓口に確認したほうが間違いないでしょう」(消費者詐欺被害に詳しいジャーナリスト)

 フィッシング詐欺を巡っては、ヤマト運輸の他にも、東京電力からの「未払い電気料金のお知らせ」や、楽天銀行、アップル、三井住友カードを騙るものなど、枚挙にいとまがない。どれも誰もが知る有名企業だけに、ついつい信じてしまいがちだが、その裏に目を光らせた詐欺師が隠れていることを忘れてはならない。

(ケン高田)

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