7月16日、ヤマト運輸は公式ツイッターで「夏季にかけての社員のマスク着用について」とのツイートを投稿し、「熱中症予防の為、運転中の車内、周囲に人がいない場所での作業中にマスクを外して業務を行うことがあります」と報告。この投稿は1万7000件以上リツイートされるなど、大きな話題となっている。
「ヤマトの投稿にはねぎらいの声も数多く寄せられていますが、ここまで話題になっているのは、運転中の車内でマスクを外す配達員にクレームを付ける人たちがいるからです。日本郵便も5月25日に公式サイトで『社員のマスク着用について』のお知らせを出していて、『屋外で乗車中または配達中などの場合は、熱中症のリスクを避けるため、適宜マスクを外します』と説明していますが、これにもSNS上で文句をつける人がいたようですね」(ネットライター)
実は、ヤマトと日本郵便は昨年も同様のお知らせをしている。それでも再度このような報告をしなければならないのは、やはりクレーマーの存在があるためと見られる。
「新型コロナウイルスの感染拡大によって、クレーマーやカスタマーハラスメントが増え続けているという話も聞きますからね。炎天下の中でマスクをしていれば息苦しさも当然ありますが、それよりも問題なのは喉の乾きに気づかない点にあります。マスクをしていると口内は湿度が保たれるので喉も潤っていると感じ、水分補給を怠って熱中症になるケースが多いんです」(運送会社関係者)
なお、厚生労働省が発表している『「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント』によれば、『屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう』と呼びかけている。マスクを外して作業をしている配達員がいたとしても、屋外で人との距離を十分に確保できている場合は絶対にクレームを入れてはいけない。
(小林洋三)