佐川・ヤマトの運賃値上げで浮上「再配達有料化」の是非論

 2月6日、宅配大手のヤマト運輸は4月3日から宅急便などの運賃を値上げすると発表した。資源・エネルギー価格や原材料価格の上昇に加え、ドライバーの待遇改善につなげるためという。

「対象となるのは宅急便、宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便で、サイズや届け先によって改定率は変わりますが、およそ10%値上げされます。ただ、関東から関東に宅急便を送った場合、60サイズではプラス10円と値上げ幅が抑えられたものもあります。なお、同じく宅配大手の佐川急便も4月1日から平均8%値上げすることをすでに発表しています」(社会部記者)

 ヤマト運輸も佐川急便も値上げは2017年以来、約5年半ぶりとなる。前回は大きな物議を醸したが、今回は値上げの理由に両社ともトラックドライバーの待遇改善を挙げていることもあって否定的な意見はあまりなく、むしろ「ついでに再配達も有料化するべき」といった声も見られた。

「国土交通省のサンプル調査によると宅配便再配達率は2020年の外出自粛によって8%まで減ったものの、22年には11.8%と増加傾向にあります。またコロナ禍になってからは置き配の導入が進んだものの、運送会社や通販会社によっては不在時の置き配を禁止しているところもあり、再配達を完全になくすのは難しい状況にある。再配達はドライバーにとって肉体的にも精神的にも大きな負担なだけに、例えば時間指定で再配達になった場合や、2回届けても不在だった時は、直接倉庫で受け取るか有料配達を選べるといったシステムにしてもいいかもしれよません」(物流ジャーナリスト)

 早々に決めた方がいいだろう。

(小林洋三)

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