9月8〜9日に関東地方を襲った台風15号により、千葉県では大規模な停電が続いている。
9日のピーク時には約64万軒が停電し、一週間後の16日でもまだ9万軒ほどが電気のない生活を強いられている状況だ。東京電力では復旧見込みを27日ごろと発表しているが、なぜこれほど復旧が遅れているのだろうか。千葉県在住のライターが指摘する。
「とくに復旧が遅れているのは館山市、鴨川市、南房総市と鋸南町の4市町。これらの自治体は台風の通過ルートに当たっていたとはいえ、復旧が遅れている原因はむしろ千葉県の“南北格差”にありそうです。人口627万人を擁する千葉県では県庁所在地の千葉市をはじめ、人口順で12位までの自治体がすべて県北西部に集中しています。千葉県の形をモチーフにしたマスコットキャラのチーバくんにたとえれば、人口のほとんどは首から上に集中。下半身に当たる県南部は人口が少なく、道路網の整備も遅れているため、復旧を妨げる要因となっています」
県南部を結ぶ唯一の幹線道路である国道128号はほとんどが片側1車線しかなく、迅速な復旧への障害となっているのが実情だ。
そして千葉県のほとんどを占める房総半島は、面積が5000平方キロを超える巨大な半島。福岡県や京都府よりも広いと言えば、その広大さがお分かりだろうか。なにしろ災害復旧情報を発信している千葉テレビの公式ツイッターが「千葉県本当に広い!そして停電範囲も広い」とツイートしていたほどである。その広さゆえ、千葉復興を願うイベントにも影響があったという。
「千葉県出身の氣志團は毎年、袖ケ浦市で大型フェスの『氣志團万博』を開催。今年は台風被害の影響で開催が危ぶまれたものの、メンバーの綾小路翔は『この人生で一番悩んだ』うえで、開催に踏み切りました。この決断には批判もありましたが、市民からは《今年もやってくれて嬉しい》《地元にお金を落としてもらえる》といった声が相次いでいます。そして同万博では被災地支援の“マブダチ募金”も実施し、1184万4223円が集まりました。出演者は口々に被災地への支援を訴えており、これを機に千葉県の台風被害に対する関心が広まってほしいものです」(同前)
9月18日には千葉県出身のYOSHIKIが1000万円を寄付していたことも報じられた。多くの人々の思いが届き、被災地が一日でも早く復興することを祈りたい。