元手タダ“家ゴミ→お宝化”計画(57)10万円の値が付いた「採点ペン」とは

 このコーナーでお世話になっているヤフオクウオッチャー氏が興奮気味に話す。

「なんとペン1本が10万円で落札されたんです! それもモンブランみたいな高級万年筆ではなく、よくあるソフトペンが、ですよ」

 ソフトペンと言われても、いまひとつピンとこない方も多いだろう。でも、学校の先生がテストの採点に使っていたペンと言えば、思い出すのではないか。

「正式名称がソフトペンで、プラチナ万年筆の商品です。通称が採点ペン。ペン先が白のナイロンチップになっていて、耐久性に優れるだけでなく、紙にひっかかりにくく、手の疲れが最小限に抑えられる。長時間の使用に最適なのです。しかも、ペン先もインクもカートリッジ式で交換可能。つまり、テスト採点用に開発された代物です。800円というお手頃価格で販売されていて、ロングセラーとなっています」

 こう話すのは、文具マニアの会社員。「先生が使っていたペンを自分も‥‥」という動機で手に取ったが最後、ハマッてしまったという。前出・会社員が言う。

「インクとペン先の基本構造は不変ですが、グリップなどが改良されて年代ごとに形状が違うんです。ハマると、どうしても廃盤になった形状が欲しくなる。10万円の値をつけたのも70年代の廃盤品でパッケージごと残っている希少な逸品です」(前出・会社員)

 親類や知人に元教員がいるならば、昔の採点ペンが手元に残ってないか問い合わせたほうがよさそうだ。

マネー